キツネノボタン（キンポウゲ科）［狐野牡丹］
田のあぜや流れの縁に生える多年草。茎はほぼ無毛または斜上する毛があって直立し、上部でよく枝を分け高さ30-60cmになる。
葉は互生し、1回3出複葉。根生葉には基部が茎を抱く長い柄があり、茎葉には短い柄がある。小葉はさらに2-3裂するがあまり深く切れ込まない傾向がある。両面に伏毛がある。
花は直径約1cm、萼片は5個、長さ3-4mmで外面に粗い毛がまばらに生え、花時に反曲する。花弁は黄色で5個、倒卵形で光沢があり萼片より長い。
果実は痩果が球形に集まった集合果で直径約1cm。痩果は長さ3.5-4mm、花柱は細く伸びて先が強く曲がる傾向がある。完熟した痩果の縁に沿う稜がないかまたは不明瞭。ケキツネノボタンは痩果の扁平面の縁に沿う明瞭なリング状の稜がある。
ケキツネノボタンとの見分け方として、従来は茎や葉の毛量や形、花柱の曲がり方などを基準として区別してきたが、これらの形質の変化は連続的であり、それだけでは区別することは難しいという。痩果の縁に沿う稜の有無を確認すれば明確に区別できる。
ラヌンクリンを含む有毒植物で、空気中でプロトアネモニンに変化する。皮膚に汁が付いたり口にしたりすれば痛みが出て水膨れになり、胃腸がただれて血便、血尿が出る。よく葉の似たセリと混生しているので花のない時期は注意が必要。
まれに八重咲きのものがあり、ヤエキツネノボタンという。
花期：3-7月
分布：日本全土
撮影：
2009.5.1 東京都杉並区
2023.4.20 神奈川県三浦市
果実は痩果が球形に集まった集合果。花柱は細く伸びて先が強く曲がる傾向がある。完熟した痩果の縁に沿う稜がないかまたは不明瞭。 2023.4.20
神奈川県三浦市
茎はほぼ無毛または斜上する毛が少しある。 2023.4.20 神奈川県三浦市
葉は3出複葉で小葉はさらに2-3裂する。 2023.4.20 神奈川県三浦市ケキツネノボタンに戻る トゲミノキツネノボタンに戻る ツルキツネノボタンに戻る ヤマキツネノボタンに戻る セリに戻る
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