オオカメノキ

オオカメノキ(ガマズミ科)[大亀の木]

名は、葉が亀の甲羅に似ているからといわれるが別説もある。葉が虫に食われることが多いので、ムシカリの別名がある。
旧分類体系ではスイカズラ科とされていたが、APGでは草本であるレンプクソウ1種で成り立っていたレンプクソウ科に移され、一躍レンプクソウ科は大きな科になった。しかし、ガマズミ科とレンプクソウ科の学名は、先に発表されたガマズミ科を優先して用いることが2017年7月の国際植物学会議で決定されたことから、レンプクソウ科の名は泡沫の夢と消え去り、正式にガマズミ科の誕生となった。

山地(ブナ帯)に生え、高さ2-6mになる落葉小高木で、枝がよく分枝して横に広がる性質がある。樹皮は暗灰褐色。
葉柄は長さ1.5-4cmで脱落性の褐色の星状毛が密生する。葉は対生し、長さ7-15cmの円形~広卵形で質はやや厚く、基部は心形で先は短くとがるかまれに円頭。縁に不規則な鈍鋸歯がある。葉脈はくぼみ、側脈は7-10対あり、表面は無毛で裏面脈上に脱落性の褐色の星状毛が密生する。
枝先から直径5-15cmの散房花序を出して、小さな両性花をつけ、縁を直径2-3cmの大きな装飾花が取り囲む。花序は無柄で、枝から直接放射状につく。花序の基部に1対の葉がつく。両性花は直径5-8mmで5裂して平開する。雄しべが5個、雌しべが1個ある。装飾花は2.5-3.5cm、白色で5深裂し平開する。裂片の大きさはほぼ同じ。雄しべ、雌しべは退化している。
果実は長さ0.8-1cmの楕円状球形の核果で、花序の枝とともに赤くなり、完熟すると黒色になる。核は長さ6-7mmの扁平な広楕円形で縦に1本の溝がある。

材がしなやかなので、かんじきの材料として利用される。
似ているカンボクは葉が3深裂することで、ヤブデマリは5裂する装飾花のうちの1個が極端に小さく、4裂しているように見えることで区別する。
花期:4-6月
分布:北・本・四・九
撮影:2008.5.10 青森県むつ市
オオカメノキの花
花は大きな装飾花と中心の小さな両性花からなる。 2008.5.10 青森県むつ市

オオカメノキの葉
葉は円っこく、先は短くとがる。脈がくぼんでしわになる。 2009.5.10 秋田県横手市

オオカメノキの果実
果実は初め赤くなり、完熟したものから黒くなる。 2016.9.15 山形市

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