ムクゲ

ムクゲ(アオイ科)[木槿]

名は漢名「木槿」の音読みの転。朝開いて夜しぼむという生態がハスの花を連想させるので、別名ハチスという。

中国原産といわれ、生垣や公園樹、街路樹などとして植えられる落葉低木。幹は基部で分枝して直立し、高さ2-4mになる。枝は灰色で平滑、若い枝には星状毛がある。
葉は互生し、長さ4-10cm、幅2.5-5cmの卵形~菱状卵形、基部はくさび形で3行脈が目立ち、先はしばしば3浅裂し縁に粗い鋸歯がある。まばらに屈毛または分岐毛があってざらつく。葉柄は0.5-3cm。托葉は長さ約6mmの線形。
枝先の葉腋に直径6-10cmの花を1個つける。花は一日花で朝に開いて夜にしぼむ。花柄は長さ1-1.5cm、副萼(小苞)は6-7個、線形で萼と同長かやや短い。萼は5中裂し、裂片は卵状披針形で鋭頭、外面に密に星状毛がある。花は一日花で、基本は紅紫色だが白色、桃色、紫色、八重咲きなど多くの園芸品種がある。花弁は倒卵形で5個、基部が濃紅色となるものが多い。雄しべは多数が合着して筒状になる。
果実は直径1.5-2cmの卵球形の蒴果で、黄褐色の星状毛が密生し、熟すと胞背に5裂して種子を多数出す。種子は長さ4-5mmの腎形で背面に褐色の長毛が密生する。

漢方では、乾燥させた白花のつぼみを木槿花(もくきんか)といい、煎じて胃腸カタル・下痢止めに、皮は木槿皮(もくきんひ)といい、水虫に用いる。幹は皮の繊維が強いので製紙材料にした。
フヨウは葉は5角状円心形で基部は心形。葉柄は5-20cm。花は直径10-14cm。ブッソウゲ(ハイビスカス)は葉は光沢があって分裂しない。蕊柱は著しく長く花外に突き出る。タチアオイは草本で果実は円盤形の分離果。
花期:6-10月
分布:帰化(園芸)植物
撮影:2023.9.7 横浜市南区
ムクゲの葉
葉は卵形~卵状菱形で3行脈が目立ち、先はしばしば3浅裂する。 2023.9.7 横浜市南区

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