カジイチゴ

カジイチゴ(バラ科)[梶苺・構苺]

名は葉がカジノキに似ている(あまり似ているとは言えないが)ことによる。

暖地の海岸や海に近い山地の林縁に生え、幹は直立し、よく分枝して枝は斜めに曲がり、高さ1.5-3mになる落葉低木。暖地では葉が越冬するので常緑低木とされることもある。
開花は早く、三浦半島(神奈川県)の海岸では、節分の声を聞くと他の草木に先駆けてポツポツと咲き始める。
ふつう枝に刺はなく、あってものちになくなる。
葉は互生し、長さ5-20cmの広卵形で質が厚く光沢があり、掌状に3-7中裂する。基部は心形で裂片の先は鋭くとがる。表面は深緑色で、縁に重鋸歯がある。両面ともほぼ無毛だが、脈上に僅かに毛がある。葉柄は長さ3-8cm。長さ1.5cmほどの狭楕円形の托葉がある。
新枝の先に直径3-4cmの白い5弁花を上向きに3-5個つける。花弁は広倒卵形で互いに重なることが多い。花が大きくて見栄えがするので庭木としても利用される。
果実は直径1.5-2cmの球形の集合果(核果の集合)で4-5月に橙黄色に熟し、食べられる。

関東地方南西部と高知県に分布するヒメカジイチゴは、カジイチゴとニガイチゴの雑種と考えられており、カジイチゴより葉が小さく枝に刺がある。またカジイチゴとクサイチゴの雑種とされるものにハチジョウクサイチゴがあり、高さは1mほどで枝に刺があり軟毛が生える。頂小葉はほぼ無柄で頂小葉の基部はしばしば側小葉と合着する。果実はまれにしかできない。
花期:2-5月
分布:本(秋田県・宮城県以南)・四・九
撮影:2016.3.25 神奈川県横須賀市
カジイチゴの葉
葉は掌状に3-7中裂し、裂片の先は鋭くとがる。 2021.4.1 神奈川県茅ヶ崎市

カジイチゴ(八重咲き品種)
八重咲きの品種?。ヤエザキカジイチゴという。 2016.2.22 神奈川県横須賀市

カジイチゴの果実(集合果)
果実は集合果。 2016.5.31 神奈川県横須賀市

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