エゾヨツバシオガマ

エゾヨツバシオガマ(ハマウツボ科)[蝦夷四葉塩竈]

北海道と本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯の礫地や岩場に生える半寄生の多年草で高さ20-60cmになる。南方系のヨツバシオガマは北方系のエゾヨツバシオガマの変種とされていたが、近年の分類学的な再検討の結果、別種とされた。エゾヨツバシオガマとヨツバシオガマは分布の重なる山域もあるので、注意が必要だろう。

葉はふつう4個ときに5-7個が輪生する。葉は3角状広披針形で羽状全裂し、裂片は7-12対で浅い切れ込みがある。ヨツバシオガマに比べて葉は大きくて数が多い。
花序に細毛が密生し、4-6個の赤紫色の花が7-20段輪生し、下から咲き上がってゆく。花冠は2唇形で上唇は鋭い嘴状になって下に曲がる。花冠筒部は萼との境で明らかに曲がる。花序の長さや輪生段数は変化が大きい。

クチバシシオガマは上唇の上側が半ばから急にくびれて長さ0.7-1cmの細い嘴状になり、嘴部分が濃い赤紫色になるものをいう。礼文島に生え、高さが0.7-1mに達し、花序に15-30段花がつくものをレブンシオガマとよぶことがある。
ヨツバシオガマは花序は2-7段程度と少ない。花冠筒部の下部は、萼との境で背軸側に曲がらないか僅かに曲がるのみ。
花期:6-8月
分布:北・本(中部地方以北)
撮影:2001.6.30 青森市
エゾヨツバシオガマ-2
2015.7.5 岩手県八幡平市

エゾヨツバシオガマの花冠
花冠筒部は萼との境で明らかに曲がる。 2015.7.5 岩手県八幡平市

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