シロバナイワカガミ

シロバナイワカガミ(イワウメ科)[白花岩鏡]

イワカガミの品種で、花冠が白色のものをいう。撮影地での分布域が重なるオオイワカガミの白花品(シロバナオオイワカガミ)の可能性も考えたが、鋸歯の数が6-8対程度であまりとがっていないことからイワカガミの白花品種とした。人の近寄れない湿った急斜面に数株咲いていたので望遠レンズで引っ張ったものをさらにトリミングして掲載。

低山帯~亜高山帯の草地や岩場に群生する高さ10-20cmになる常緑の多年草。茎は短く地をはい、根際に長い柄がある葉を束生する。
葉は長さ幅とも3-6cmの円形~卵円形で厚くて光沢があり、縁に浅い鋸歯が10数対ある。先端は円いか、僅かにへこむ。日当たりのよいところでは葉が赤みを帯びる。
葉の間から花茎を伸ばし、頂部に白色の花を3-10個下向きにつける。花冠は直径1-1.5cmの漏斗形で5裂し、裂片はさらに細かく裂けるので5裂しているのが一見して分からない。中に5個の雄しべと白毛がある5個の仮雄しべがある。萼は5裂し光沢がある。
果実は球形の蒴果で直径3-4mm。秋には果穂が上向きに伸び、裂開して種子を飛ばす。種子は長楕円形で両端に突起状の翼がある。

なお、ほかに花冠が白いものには、主に東海地方(愛知、山梨、長野、静岡)のごく限られた場所に分布するヤマイワカガミがある。
花期:4-7月
分布:北・本・四・九
撮影:2008.5.11 秋田県角館町

イワカガミに戻る


検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。