オオハンゴンソウ

オオハンゴンソウ(キク科)[大反魂草]

名は、ハンゴンソウより花が大きく、葉が似ていることからついたもの。

北アメリカ原産で、明治時代の中頃に園芸植物として渡来した多年草。丈夫なことから栽培されたものが広く野生化し、在来の植生の中に入り込んで問題となっている。外来生物法による「特定外来生物」指定種で、栽培などの特定の行為が罰則付きで禁止されている。
主に北日本のやや湿った空き地や河原などに大群落をつくっているが、山地にも入り込んでおり、沖縄県を含むほぼ日本全国に広がっている。青森県の奥入瀬渓流では、貴重な在来植物への影響が出てきていることから、毎年ボランティアにより抜去作業が行われている。
横に走る根茎で繁殖し、茎は直立して上部で分枝して高さは2-3mに達する。
根生葉は2回羽状に深裂し長柄がある。茎葉は互生し、下部の葉は長柄があり中脈近くまで羽状に5-7裂し、上部の葉は短柄~無柄で3-5裂するかまたは不分裂。裂片には粗い鋸歯がある。上面は無毛で裏面に短毛がある。
枝先に直径6-10cmで舌状花と筒状花からなる頭花をつける。花床は半球形で花後に円錐形に盛り上がり、鱗片は刺状にならず、上半部の背面に毛が密生する。総苞片は葉状、長楕円形で先はとがり2列に並び、花期には反り返る。舌状花は明るい黄色で8-14個あり、のちに下向きに垂れる。筒状花は中央に多数密集し、緑黄色。
痩果は長さ5-6mm、やや扁平で4稜があり、無毛。冠毛は冠状で短く、少数の歯状の突起がある。

この植物は、セイタカアワダチソウやクルミなどと同じく、根茎から発芽を抑制する物質を分泌し、他の植物のみならず自分の種子さえも近くに発芽させない作用をもつ。このような作用をアレロパシー(他感作用)とよぶ。
八重咲きのものはハナガサギク(別名ヤエザキオオハンゴンソウ)とよばれ、人家近くに多い。
よく似たアラゲハンゴンソウは中心の筒状花が紫黒色であることで区別できる。
花期:7-9月
分布:帰化植物
撮影:2010.8.29 青森県おいらせ町
オオハンゴンソウの頭花
筒状花は円錐状に盛り上がる。 2013.8.18 青森県むつ市

オオハンゴンソウの葉
下部の葉は羽状に5-7裂する。 2010.8.29 青森県おいらせ町

オオハンゴンソウの花道
延々と続くオオハンゴンソウの花道。 2010.8.29 青森県三沢市

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