ミヤマニガイチゴ

ミヤマニガイチゴ(バラ科)[深山苦苺]

名は、ニガイチゴより標高の高いところに生えることからついたもの。

山地帯~亜高山帯の日当たりのよい林縁などに生える落葉低木で、茎は無毛で紫褐色、小さな刺がまばらにあり、高さ0.3-1mになる。
葉は互生し、長さ4-10cmの長卵形で3深裂し、中央裂片は大きく細長くとがり基部は心形~切形、縁に重鋸歯がある。葉形は変化が大きく、不分裂葉も出る。両面脈上に沿って軟毛が散生し、裏面は粉白色を帯び、脈や葉柄に小さな刺がある。葉柄は長さ2-7cm、葉柄基部の托葉は長さ1-1.2cmの線形。
前年枝の葉腋から長さ7-10cmの短枝を伸ばし、直径2-2.5cmの白い花を1-3個つける。短枝には小さな葉が3-4個つく。花柄は細く、長さは1-3cm、ほぼ無毛で細い刺がある。萼筒は半球形で無毛、萼片は長さ6-7mmの卵状披針形で先はとがり、外面は無毛で縁に小腺毛と密毛、内面に密毛がある。花弁は5個、長さ約1cmの広楕円形で縁はやや縮れて波打ち、内面基部に僅かに短毛がある。雄しべは多数で花糸は無毛、雌しべも多数。子房の上部と花柱の基部にやや密毛がある。花柱は長さ1.5mm。
果実は小核果が集まった直径1-1.5cmの球形の集合果(キイチゴ状果)で、8-9月に赤く熟し、甘い。核は長さ2mmで網目模様がある。

よく似たニガイチゴは、葉はミヤマニガイチゴより小型の広卵形で3浅裂して先は鈍く、花はふつう1個だけつき、花弁の幅がミヤマニガイチゴより狭い。
花期:5-7月
分布:本(近畿地方以北)
撮影:2003.7.4 長野県大町市

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