カントウヨメナ

カントウヨメナ(キク科)[関東嫁菜]

名は、中部地方より西に生えるヨメナに似ていて、主に関東地方に生えることからついたもの。
ユウガギクとヨメナの雑種起源と考えられている。分布について「東北地方南部以西」としている図鑑もあるが、そこまで「関東限定」ではなく、東北地方でも少ないながら青森県まで自生している。北海道南部に生えているものは自生かどうか不明。

水田のあぜや耕地周辺などやや湿ったところに普通に生え、高さ0.4-1.2mになる多年草。根茎を伸ばして殖える。茎にまばらに毛がある。
葉は互生し、長さ8-10cm、幅3cmの披針形~卵状長楕円形で縁に少数の深い鋸歯があるが、上部のものはほぼ全縁となる。質はやや薄くて光沢はなく、ノコンギクのようなざらつきはない。
小枝の先に1個の頭花をつける。頭花は直径2.5-3cmで淡紫色の舌状花と黄色の筒状花からなる。まれに舌状花が白色のものがある。舌状花は雌性、筒状花は両性。総苞片は3-4列。
痩果は長さ2-3mmの扁平な長倒卵形で稜に腺毛がある。冠毛は長さ0.25mmと極めて短く、肉眼ではほぼ確認できずルーペを通して分かる程度。

ヨメナは葉がカントウヨメナより厚く、光沢がある。頭花は直径3cmほどでカントウヨメナよりやや大きい。痩果は長さ3-4mm、冠毛は長さ0.5mm。
九州南部以南に生えるコヨメナは全体に小型。頭花は直径2-2.5cm。冠毛は0.25mm。
ユウガギクは枝がよく分岐して横に張り出す。舌状花は白色のものが多い。冠毛は0.25mm。
ノコンギクは頭花が散房状につき、葉の両面に短毛があってざらつく。頭花は直径約2.5cm。冠毛は痩果より長い。
花期:7-11月
分布:本(静岡県以北)
撮影:2017.10.5 神奈川県藤沢市
カントウヨメナ-2
花の色が淡紫色が普通だが白色に近いものもある。 2017.10.5 神奈川県藤沢市

カントウヨメナの花
1列の舌状花と多数の筒状花からなる。 2017.10.5 神奈川県藤沢市

カントウヨメナの総苞
総苞片は3-4列。 2017.10.5 神奈川県藤沢市

カントウヨメナの葉
葉は質がやや薄く、鋸歯は少なく粗く深い。 2017.10.5 神奈川県藤沢市

カントウヨメナの上部の葉
上部の葉は切れ込まない。 2018.10.9 神奈川県藤沢市

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