ハクサンシャクナゲ

ハクサンシャクナゲ(ツツジ科)[白山石南花・白山石楠花]

加賀白山で発見されたのでこの名がある。
主に亜高山帯上部の林内に生育する常緑低木で高さ0.3-4mになる。林内のものは高さが2-4mあるが、キバナシャクナゲが生育するような高山帯でもよく見ることがあり、地面をはうように伸び、背は低い。
枝は太く通常は無毛、ときに褐色の軟毛が散生する。樹皮は古くなると灰白色になり、不規則に裂けて落ちる。
葉は枝先に集まって輪生状に互生し、革質でやや厚く光沢は弱く、長さ6-15cm、幅2-5cmの倒披針形~倒披針状長楕円形。縁は全縁で外側に巻き込み、先は鈍形で基部は円形~浅い心形。表面は濃緑色、裏面に淡褐色の軟毛が密生する。赤みを帯びた長さ0.5-2cmのはっきりとした葉柄がある。
枝先に5-15個の花が短い総状に集まって横向きに咲く。花の色は白色~薄紅~薄黄と変異が大きい。花冠は直径3-6cmの漏斗形で5中裂して広く開き、上裂片中央に黄緑色の斑点がある。裂片は広円形。雄しべは10個で花糸の下半部に白毛が密生、花柱とともに先は上に曲がる。花柱は無毛で子房は有毛。萼は皿形でごく小さい。花柄は長さ2.5-6cmで微毛がある。
果実は8-10月に熟して裂開する。長さ1.5-2.5cmの扁円柱形の蒴果で暗褐色の毛がある。種子は長さ1.5-2mmの長楕円形で縁に翼がある。基部に糸状の付属体がつく。

雄しべが弁化した八重咲きのものをネモトシャクナゲ(ヤエハクサンシャクナゲ)、葉裏の毛がほとんどなく、緑白色のものをケナシハクサンシャクナゲという。岩手県田野畑村では北山崎にあるものをシロバナシャクナゲとして「村の花」に指定しているが、YListではハクサンシャクナゲの別名としている。
花期:6-8月
分布:北・本(中部地方以北)・四(石槌山)
撮影:2001.7.20 長野県茅野市
ハクサンシャクナゲ-2
2000.7.30 山梨県韮崎市

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