ハコベホオズキ

ハコベホオズキ(ナス科)[繁縷酸漿]

名は小さくて円みのある葉をハコベの葉にたとえたもの。

南アメリカ原産で明治時代中期に小石川植物園に導入された多年草で、逸出して関東地方以西の道端や草地、畑の縁などで野生化している。別ルートで港湾近くでも発生している。海外では食用や薬用として利用されている。
地下に横走する根茎がある。茎は多数分枝し、ややつる状に地表をはうかほかの植物に覆い被さるように広がり、長さ1-2mに伸びる。茎は4稜があり、上向きに曲がった短毛を散生する。
葉は短い柄があって互生し、長さ0.3-3cmの広楕円形~卵円形で全縁、先は鈍く基部はやや非相称なくさび形。質はやや厚く、両面に曲がった短毛を散生する。
花は葉腋に横または下向きに1個ずつつく。萼は5深裂し、裂片は3角状披針形。花冠は白色、長さ0.6-1cm、幅5-6mmの壺形で、先は5裂して裂片は強く反り返る。雄しべと雌しべは花冠から少し突き出る。雄しべは5個で花冠の内面につき、花糸の基部と筒の内面基部に白色の綿毛が密生する。雌しべは1個、子房は扁球形で朱赤色、花柱の下半部に長軟毛があり、柱頭は盤状で暗緑色。
根茎で旺盛に殖えるせいかかなり実付きが悪いが、果実は長さ1-1.5cmの卵状楕円形の液果で、黄色または白色に熟す。萼が肥大しないので、ホオズキのような姿にはならない。
花期:5-11月
分布:帰化植物
撮影:2020.7.20 神奈川県藤沢市
ハコベホオズキ-2
他の植物に覆い被さるように伸びる。 2020.7.20 神奈川県藤沢市

ハコベホオズキの茎
茎は4稜があって上向きに曲がった毛が生える。 2020.7.20 神奈川県藤沢市

ハコベホオズキの花
花冠の先は5裂して反り返る。 2020.7.20 神奈川県藤沢市

ハコベホオズキの花-2
雄しべは花筒について雌しべとともに花冠から少し突き出る。 2020.7.20 神奈川県藤沢市

ハコベホオズキの葉
葉はほぼ3cm以下の小さな卵円形。 2020.7.20 神奈川県藤沢市

ハコベホオズキの葉-2
裏面は表面より毛が多い。 2020.7.20 神奈川県藤沢市


検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。