ヤマモモソウ

ヤマモモソウ(アカバナ科)[山桃草]

名は花の色が桃の花に似ているということか(「山」はどこから来たか疑問が残るが)。ヤマモモの実の色に似ているとはいえないのでヤマモモとは関係ないのだろう。羽を広げている白い蝶に見立てて別名ハクチョウソウ(白蝶草)という。
従来はヤマモモソウ属(Gaura)とされていたが、分子系統学的成果により、ヤマモモソウ属はマツヨイグサ属(Oenothera)に合一された。園芸の世界では今でも旧属名であるガウラの名で流通している。

明治時代中期に北アメリカから渡来した多年草。観賞用に栽培されていたものが逸出して日当たりのよい道沿いや河川敷などで群生する。
茎は細く、直立して上部で分枝し高さ1-1.5mになる。茎に上向きの軟毛が密生する。
茎葉は無柄で互生し、長さ1-9cmの線状披針形~狭楕円形で縁に波状の低い鋸歯があり、先は鋭くとがり、全体に伏毛が密生する。
茎の上部に長い穂状花序をつけ、左右相称で直径2-3cmの花が下から咲き上がる。花は一日花。萼片は4個で、外面に開出する長毛とまばらな短腺毛があり、開花すると萼片は反り返る。花弁は4個、白色~淡紅紫色で長さ約1cm。うち2個が直立し、ほかの2個は側方に開出する。雄しべは8個で長く、斜め下方に伸びる。子房は下位で花柱は雄しべより長く、柱頭は4裂する。
果実は細い紡錘形の堅果状で細毛があり、裂開しない。

同属のイヌヤマモモソウ(コバナヤマモモソウ)は1年草で、花は淡紅色~紅色で直径5mmほどと小さい。
花期:5-10月
分布:帰化植物
撮影:2020.9.17 横浜市港南区
ヤマモモソウ-2
道端などで群生し、細い茎が少しの風にもなびく。 2020.9.17 横浜市港南区

ヤマモモソウ-3
2023.5.11 横浜市保土ケ谷区

ヤマモモソウの花
雄しべは8個で長く、雌しべはさらに長く、柱頭は4裂する。 2018.7.10 神奈川県横須賀市

ヤマモモソウの蕾
萼の外面に開出する毛と短い腺毛が生える。 2020.9.17 横浜市港南区

ヤマモモソウの葉
葉は全体に伏毛が密生する。 2020.9.17 横浜市港南区


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