ヤマアワ

ヤマアワ(イネ科)[山粟]

花序がアワに似て、山地にも生えるのでこの名がある。ただし、食用にはならない。

日当たりのよい草地や河原、海岸の砂地に生える多年草で、茎は硬くて直立し、高さ0.6-1.5mになる。長い根茎があり、しばしば群生する。淡黄緑色の形のよい円錐花序をまっすぐ上に伸ばすのでイネ科植物の中では比較的覚えやすいものの一つだろう。
葉は淡緑色でつやがあり、やや扁平な長さ30-60cm、幅0.5-1.2cmの線形で両面ともざらつく。葉舌は厚い膜質で高さ3-6mm。葉耳は無毛。
花序は長さ10-30cmで初めは枝が閉じていて細く、花期には枝が開いて中ほどが太い円錐形となり、花後には再び枝が閉じる。輪生状の枝に密に多数の小穂をつけ、小穂は柄があり、淡黄緑色、ときに茶褐色や紫色を帯び、長さ5-8mmの狭披針形で両性の1小花からなる。2個の苞穎は線状披針形で長く、先は尾状に伸びて鋭くとがり、2個ともほぼ同長、中脈はざらつく。小花の護穎は薄膜質で3脈があり、苞穎のほぼ半長で中脈は長さ約1mmの短く目立たない芒となる。小花の基部に銀白色の毛束(基毛)があり、護穎よりも長い。熟すと小花は落ちて苞穎が残る。

同属のホッスガヤは花序の先は垂れ、第1苞穎は第2苞穎より短い。ノガリヤスは基毛は短く、小花の1/3~2/3長。芒が長く、小穂の外に突き出る。
花期:7-9月
分布:北・本・四・九
撮影:2004.7.25 青森県七戸町

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