ツタバウンラン

ツタバウンラン(オオバコ科)[蔦葉海蘭]

名は、ウンランの仲間で葉がツタに似ていることからついたもの。別名ツタガラクサウンランカズラという。

人家周辺の石垣やコンクリートの隙間などに生える、大正時代初めに観賞用に移入された地中海原産の1年草で、茎は長さ10-40cmの針金状で地上をはい、節から不定根を出す。茎や葉は無毛または僅かに伏毛が生え、やや光沢がある。
葉は長さ1-5cmの柄があって互生し、長さ1-3cm、幅1.5-3cmの腎形で掌状に浅く5-7裂し、裂片の先はとがる。
葉腋から長さ1.5-3cmの細い花柄を出して白色~淡青色で長さ7-9mmの仮面状の唇形花を1個つける。地方によっては真冬でも花が咲いている。上唇は2裂して直立し、下唇は先は3裂し、喉部が隆起して黄色の斑紋がある。花冠の後端は距となる。雄しべは4個、雌しべは1個。萼は無毛で基部近くまで5裂し、裂片は長さ2mmの披針形でややとがる。
果実は直径4-6mmの球形の蒴果で、長い柄で下方の暗い隙間に向かう。中に多数の種子を含む。種子は直径1mmの球形でしわ状の隆起がある。

白花をつけるものもあり、シロバナツタバウンランというが、逸出しているものはまだ少ない。
花期:2-10月
分布:帰化植物
撮影:2017.2.27 横浜市南区
ツタバウンランの花冠
花は仮面状の唇形花。 2020.3.25 横浜市南区

ツタバウンランの葉
葉は掌状に5-7浅裂する。茎や葉柄は紫色を帯びる。 2016.3.26 横浜市中区

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