ツルヨシ

ツルヨシ(イネ科)[蔓葦・蔓蘆・蔓葭]

名はヨシに似ていて、長い地上匐枝を伸ばすことからついたもの。別名ジシバリという。

川岸の砂礫地や谷川の縁などに群生する多年草で、茎は高さ1.5-2mになる。葉身のある鱗片に被われた長い地上匐枝を出し、その節に白い開出長毛がある。匐枝はときに3-5mも伸び、節から出根して新株をつくって殖える。
葉は互生し灰緑色で硬く、長さ20-30cm、幅2-3cmの扁平な線形。葉身の基部に葉耳がなく、上方の葉鞘の上部は汚赤紫色を帯びることが多い。
円錐花序は長さ20-30cmの広卵形で先は垂れ、多数の小花をまばらにつける。小穂は有柄で長さ0.7-1.2cm、3-4個の小花からなり、最下の小花は雄性で長さ0.6-1cm、基部は無毛。残りの小花は両性で基部に長毛がある。苞穎は鋭頭。第1苞穎の長さはその上の第1小花の護穎の1/2以上ある。

ヨシは地上匐枝を出さない。小穂は長さ1.2-1.7cm、第1苞穎の長さがその上の第1小花の護穎の1/2以下。
花期:8-10月
分布:本・四・九・沖
撮影:2021.10.28 相模原市緑区
ツルヨシの地上匐枝
地表をはう長い匐枝を伸ばして節から根を下ろして殖える。 2019.8.5 神奈川県平塚市

ツルヨシの花序
花序は長さ20-30cmで先は垂れ、多数の小花をまばらにつける。 2019.8.5 神奈川県平塚市

ツルヨシの葉
葉は長さ20-30cmの線形で硬い。 2021.10.28 相模原市緑区

ツルヨシの葉鞘
葉身の基部は葉耳にならず、葉鞘の上部は汚赤紫色を帯びることが多い。 2021.10.28 相模原市緑区

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