ツルニチニチソウ

ツルニチニチソウ(キョウチクトウ科)[蔓日日草]

名は、ニチニチソウの仲間(キョウチクトウ科)で茎がつる状に伸びることからついたもの。ニチニチソウは直立するツルニチニチソウとは別属の1年草で名は毎日毎日新しい花が見られることを表したもの。キキョウの仲間でもないのにツルギキョウとよばれることがあるが、本家のツルギキョウは絶滅危惧種である在来の野生種であり、混乱を招くのでこの別名は使わないほうがいい。

南ヨーロッパ~北アフリカ原産で明治時代に観賞用、グランドカバープランツとして移入された多年草。一度庭に植えると根絶はかなり難しく、さらに逸出して人家付近の道端、海岸や荒れ地などさまざまな場所で野生化している。生態系被害防止外来種(重点対策外来種)リスト掲載種。
茎は細く、地面をはい長さ2mほどになり、斜面では垂れ下がる。茎を切ると白い乳液が出る。花をつける茎は地についた節から発根し、先はやや立ち上がる。花をつけない茎は長くはい、分枝せず節からの発根もしない。
葉は短い柄があって対生し、革質で光沢があり、長さ3-5cmの卵状楕円形で全縁、基部は切形~広いくさび形で先はとがる。裏面と縁に毛がある。温暖な地域では葉が枯れず越冬するが寒冷地では冬季には葉を枯らして越冬する。
対生する葉の両側の葉腋のうち片方1個ずつ交互に、直径3-5cmの淡青紫色の花をつける。萼片は長さ0.8-1cmの線状披針形で縁に毛がある。花筒は長さ1.2-1.5cmの細い筒状で内面に毛があり、上部は5深裂し裂片はややらせん状にねじれて平開する。雄しべは5個で葯は黄色、雌しべは1個で長い毛が密生する。柱頭は円盤状。
果実は長さ3-5cmの円柱形の袋果。

葉縁に黄色い斑が入るものをフクリンツルニチニチソウ、花がやや小さく、茎がしばしば分枝して節から発根し、葉はほぼ無柄で長楕円形、萼片が披針形で短く、縁に毛のないものをヒメツルニチニチソウという。
花期:3-5月
分布:帰化植物
撮影:2015.4.16 横浜市中区
ツルニチニチソウ-2
2008.5.17 青森市

ツルニチニチソウの萼片
萼片は線状披針形で縁に毛がある。ヒメツルニチニチソウの萼片は披針形で短く、縁は無毛。 2017.3.31 横浜市中区

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