ツルニガクサ

ツルニガクサ(シソ科)[蔓苦草]

名の由来は「ニガクサに似て走出枝を出すから」といいたいところだが、ニガクサも同様に地下に走出枝を出すので、なぜ本種だけ「蔓」を冠したのかよく分かっていない。

山地の木陰に生える多年草で、直立して高さ20-50cmになる。茎は無毛または下向きの細毛があり断面は4角形。地下に細長い走出枝を出して殖える。
葉は長さが葉身の1/4程度の柄があって対生し、質は薄く、長さ4-10cm、幅1.5-5cmの長楕円形で縁に不揃いな鋸歯があり、基部は円形~広いくさび形で先はややとがる。全面に腺毛がある。
茎頂や上部の葉腋に長さ3-5cmの総状花序を出し、一方に偏って密に淡紅色の花をつける。萼は長さ約3mmの筒状で10脈があり先に5歯がある。全面に密に腺毛があり、上歯の先は鈍く、果期にはやや球状に膨れて内側に曲がり口はすぼまる。花冠は長さ0.8-1cmの唇形でつくりはニガクサと変わらない。
果実は4分果。分果は長さ約1.2mmの円形で不明瞭な網目模様があり、上部に腺点がある。

コニガクサは葉がやや厚く、密に腺毛と細毛があるもので、沖縄県に産する。ニガクサはよく似ているが、丈は高くなり,、萼に腺毛がなく、上歯の先は鋭くとがる。
花期:7-9月
分布:日本全土
撮影:2016.7.25 神奈川県横須賀市
ツルニガクサの花
萼や花軸に密に腺毛がある。萼の上歯は鈍頭。 2017.8.3 横浜市緑区

ツルニガクサの葉
縁に不揃いな鋸歯がある。 2017.8.3 横浜市緑区

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