ツルナ

ツルナ(ハマミズナ科)[蔓菜]

名は、茎がつる状で葉が野菜として食べられることからついたもの。別名ハマヂシャ。別名は浜に生えるチシャ(レタスの仲間)の意。
ゆでて食べるとおいしく、家庭菜園で栽培される。かつて近所の人が栽培していて、よく殖えるのかしょっちゅう我が家の食卓にも上っていた。

海岸の砂地や岩場に生え、茎はよく分枝して下部が地をはい上部が斜めに立ち上がり、高さ40-60cmになる多年草。
暖地では海岸雑草のように生えているが、北海道では渡島半島だけでごくまれに見られるそうで、北奥羽でも同じような状況だろう。
茎や葉は多肉質で軟らかく、粒状の細胞で被われざらつく。
葉は互生し、長さ3-7cm、幅3-5cmの3角状卵形で縁は内側に巻き込む。葉柄は長さ1-2cm。
葉腋に直径0.7-1.2cmの黄色の花を1-2個つける。花弁はなく、萼筒は長さ3-4mm、萼片は広卵形で4-5個あり、内側は黄色で外側は緑色。花後に萼筒は長さ6-7mmになる。なかなか整った形の花はなく、萼片の形は不揃い。日が沈むと花は閉じる。雄しべは8-16個、雌しべの花柱は4-8個。
果実は直径0.7-1cmで4-5個の角状の突起をもつ核果で、萼筒に包まれ黒褐色に熟し裂開せずに落ちる。海水によく浮くので海流によって種子が運ばれ新天地で繁殖する。
キャプテン・クックがニュージーランドから持ち帰ったので、イギリスではNew ZeaLand Spinach(ニュージーランドのほうれん草)とよばれる。
民間薬で茎葉を干したものを蕃杏(ばんきょう)とよび胃炎に用いる。
花期:4-11月
分布:日本全土(主に太平洋側)
撮影:2008.5.1 神奈川県横須賀市
ツルナ-2
秋になっても咲いている。 2015.10.22 神奈川県横須賀市

ツルナ-3
花弁はなく、花弁状の萼片があり、背面は緑色。 2016.5.19 神奈川県横須賀市


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