トウネズミモチ

トウネズミモチ(モクセイ科)[唐鼠黐]

在来のネズミモチに似ていて、中国原産なのでこの名がある。

明治時代初期に導入された中国原産の常緑小高木で、高さ5-13mになる。樹皮は灰褐色で多くの皮目がある。
よく公園に植えられており、逸出して野生化しているものがある。生態系被害防止外来種(重点対策外来種)。
葉は対生し、長さ6-14cm、幅3-5cmの広卵形~卵状楕円形で全縁、先は次第に細くなってとがり、基部は広いくさび形~円形、最大幅は基部寄りにある。革質で光沢があり、両面とも無毛。表面は濃緑色、裏面は淡緑色で側脈は明瞭、脈は光を透過する。葉柄は長さ1-2.5cm。
本年枝の枝先に長さ10-20cmの円錐花序を出し、小さな白色の花を多数つける。花冠は長さ3-4mmの筒状漏斗形で、先は4裂し裂片は平開して筒部よりやや長い。雄しべは2個、花糸と花柱は花筒から突き出る。
果実は液果状の核果で10-12月に熟し、白粉をかぶった紫黒色で長さ0.8-1cmの卵球形~球形。種子は黒色で表面に大きなしわがある。
果実を干したものを漢方で女貞といい、強壮薬にする。

在来のネズミモチとよく似ているが、ネズミモチは、葉が少し小さくてより厚い。側脈は不明瞭で、日にかざしても透けない。花序は小さくて花は大きく、花期は6月でトウネズミモチより早い。果実は明らかな楕円形。
花期:6-7月
分布:帰化植物
撮影:2019.7.8 神奈川県藤沢市
トウネズミモチ-2
花序はネズミモチより大きく、長さ10-20cm。 2019.7.8 神奈川県藤沢市

トウネズミモチの花
花糸と花柱は花冠から突き出る。 2018.6.5 横浜市栄区

トウネズミモチの葉
葉はネズミモチより薄く、脈は光を透過する。 2017.12.19 横浜市中区

トウネズミモチの果実
果実はネズミモチより丸みが強い。 2017.12.19 横浜市中区

トウネズミモチの樹皮
樹皮は灰褐色で皮目が多い。 2019.11.29 横浜市栄区

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