タチイヌノフグリ

タチイヌノフグリ(オオバコ科)[立犬の陰嚢]

在来のイヌノフグリに似ていて、茎が立ち上がるのでこの名がある。

ヨーロッパ原産の1年草で、明治の初めに渡来した。オオイヌノフグリと同じようなところに生えるが、やや乾いたところにも生え、オオイヌノフグリが盛りが過ぎる頃に咲き始める。
茎は白色の軟毛があり、根元で分枝して斜上し先端は直立して高さ7-25cmになる。
葉は対生し、最下部のものは短い柄があるがそれ以外は無柄。長さ0.5-2cm、幅0.4-1.8cmの広卵形で、先は鈍く基部は円形~切形。縁に2-4個の低く円い鋸歯があり両面に短毛がある。上部は苞に移行する。苞は互生し、長さ3-8mm、下部のものは小さな葉状、上部のものは線形でそれぞれ1花を抱く。
茎の上部の葉腋ごとに青色~淡紅紫色のほとんど柄のない花を1個つける。花冠は直径3-4mmの皿形で4深裂する。萼は基部まで4深裂し、裂片は長さ2-4mmの線形で先が鈍く、腺毛と短毛が生える。雄しべは2個、雌しべは1個。
果実は長さ3mm、幅4mmほどの倒心形の蒴果で、無柄で縁に短毛が生え、20個ほどの扁平な楕円形の種子を入れる。種子は長さ0.8-1mmで背面に膨らみ、腹面は平らで浅いくぼみがある。
花期:4-6月
分布:帰化植物
撮影:2015.4.16 横浜市中区
タチイヌノフグリ-2
明るいやや乾いたところに生える。 2015.4.16 横浜市中区

タチイヌノフグリ-3
苞は下部のものは小さな葉状、上部のものは線形。 2022.4.7 神奈川県茅ヶ崎市

タチイヌノフグリの葉
葉は広卵形で、縁に2-4個の低く円い鋸歯がある。 2022.4.7 神奈川県茅ヶ崎市

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