タイアザミ

タイアザミ(キク科)[大薊・痛薊]

名の由来は、大薊説や痛い薊説などあるが確かなところは分からない。長い間トネアザミの名が別名として使われてきたが、この名はナンブアザミの基準標本につけられたものであり、これをタイアザミの別名として用いるのは適切ではなく、今はYListにも記載がない。

日当りのよい山野の林縁や草地に生え、高さ0.5-1.5mになる多年草。関東地方では最も普通に見られるアザミ。
根生葉は花期にはない。葉は互生し、長さ20-30cmの披針状楕円形で羽状に中~深裂、先はとがり裂片は太く鋭い刺になり、触ると痛い。葉の基部は茎を抱かない。
茎頂や枝先、上部の葉腋から短い花柄が出て、筒状花だけからなる淡紅紫色の頭花が1個ずつ、上向き~横向きに咲く。ときに花の基部に1-2個の線形の苞葉がある。総苞は直径1-1.5cmの鐘状球形で粘らない。総苞片は8-9列、長い刺状で開出または下向きに反曲する。小花は狭筒部は広筒部と同長か短い。

以上が特徴だが、ナンブアザミと同様変異が多く、どれともつかないようなものも多い。
ナンブアザミは、葉の切れ込みが浅く刺は少ない。総苞片は短く、あまり反り返らない。近畿地方~中国地方には頭花が小さく刺が短いヨシノアザミが生える。
関東地方では同時期にノハラアザミも普通に咲いているが、ノハラアザミは総苞が反り返ることはなく、斜上するのみで花期にも根生葉が残っている。
ノハラアザミとの雑種をノハラタイアザミ、アズマヤマアザミとの雑種をアズマタイアザミという。
花期:9-11月
分布:本(関東地方~近畿地方)
撮影:2008.11.1 東京都八王子市
タイアザミの頭花
総苞片は長い刺状で反り返る。 2016.10.21 横浜市戸塚区

タイアザミの葉
葉は羽状に裂け、裂片は太く鋭い。 2019.11.29 横浜市栄区

タイアザミの果実
風に吹かれてばらけた冠毛と痩果。 2023.11.14 横浜市戸塚区

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