スイセンノウ

スイセンノウ(ナデシコ科)[酔仙翁]

赤い花を酔った人の顔色にたとえてこの名がある。全体が柔毛に被われた様子をフランネル(柔らかな毛織物)にたとえて、別名フランネルソウという。
園芸植物で、現在はマンテマ属(Silene)であるが、かつてはセンノウ属(Lychnis)とされていたため、今でもリクニスの名で流通している。園芸植物として栽培され、こぼれ種から各地で逸出し、人家付近の空き地や道端などで野生化している。

南ヨーロッパ原産の越年草~多年草で、茎は直立して上部で多数分枝し、高さ30-90cmになる。全体に白色の柔毛が生える。
根生葉は株元にロゼット状に束生し、長さ2.5-10cm、幅1.5-2.5cmの楕円形~披針形で柄があり、茎葉は無柄で対生する。葉は全縁でやや波打ち、先はとがり、基部は茎を抱く。
茎頂の枝先に直径2.5-3.5cmの花を1個上向きにつける。八重咲きのものもある。花弁は倒卵形で5個、ビロード状の光沢があり、深紅紫色で基部が桃色のもの、白色のものが多い。基部の付属小鱗片は2個で狭披针形。萼は長さ1.8-2cm、萼歯は4-7mmで柔毛が密生する。雄しべは10個、雌しべの花柱は5裂し、どちらも花冠から突き出ない。
果実は長さ約1.5cmの長楕円状卵形の蒴果で、種子は黒褐色、長さ約1-1.3mmの腎形で表面に網目状の凹凸模様がある。
花期:5-10月
分布:帰化(園芸)植物
撮影:2015.6.11 神奈川県鎌倉市
スイセンノウ-2
花が白色のものも多い。 2022.6.3 神奈川県鎌倉市

スイセンノウの花
花弁は5個でビロード状の光沢がある。付属小鱗片は2個。 2022.5.30 横浜市泉区

スイセンノウの花茎
全体にフランネルの感触がある柔毛が生える。 2022.5.30 横浜市保土ケ谷区

スイセンノウの葉
葉先はとがり、基部は茎を抱く。 2022.5.30 横浜市泉区


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