シチヘンゲ

シチヘンゲ(クマツヅラ科)[七変化]

名は、花の色が次第に変化していくことからついたもの。
江戸時代末期に観賞用に移入され、園芸品種も多数あり、属名そのままのランタナの名で栽培されている。コウオウカ(紅黄花)の別名もある。

中~南アメリカ原産で、以前から小笠原や沖縄での逸出帰化が知られていたが、今では関東地方以西の暖地に広がっている。生態系被害防止外来種リストに掲載される重点対策外来種であり、国際自然保護連合の定める世界の侵略的外来種ワースト100にも リストアップされている。
道端や荒れ地に生え、民家敷地に侵入しても観賞価値があるため積極的に駆除されないこと、刺があって駆除しにくいことから野放しの状態のものが多い。
枝は4稜があって開出する刺が密生し、よく分枝して高さ0.3-1.5mになる半つる性の常緑小低木。大きいものは高さ3mにもなる。茂るとつるが絡んだやぶのような状態になって通り抜けることができなくなる。
葉は濃緑色で対生し、長さ8-12cmの卵形で縁に鋸歯があり、先はとがり基部はくさび形~切形でときに心形。葉面にしわが多く剛毛があってざらつく。葉をもんだときの臭いを悪臭と感じる人と芳香と感じる人がいるのは興味深い。
葉腋から長さ5cmほどの散形花序を出し、鼓形の蕾を多数円形に密集して並べる。花序の外側から冠状に咲いて行き、上から見ると一つの花に見える。花冠は長さ2cmほどで先は4裂、色は肌色、黄色、橙色、暗橙色、紅紫色などさまざまで、次第に変化する。これが名の基となった。
果実は液果が集合したもので黒熟し、種子を1個ずつ含む。

東南アジアでは果実を香辛料に使用する。
匍匐性で葉も花もシチヘンゲより小さいコバノランタナも逸出している。これも少しずつ殖えているようだ。
花期:5-11月
分布:帰化植物
撮影:2016.10.11 神奈川県三浦市
シチヘンゲ-2
花序の外側から咲いていく。 2016.10.11 神奈川県三浦市

シチヘンゲ-3
2019.9.27 横浜市中区

シチヘンゲ-4
2002.6.7 東京都調布市

シチヘンゲの葉
葉面にしわが多く剛毛があってざらつく。 2021.11.12 横浜市中区

シチヘンゲの果実(集合果)
果実は液果の集合。 2016.10.11 神奈川県三浦市

シチヘンゲの刺
枝は開出する刺が密生する。 2022.12.8 神奈川県三浦市

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