シロツメクサ

シロツメクサ(マメ科)[白詰草]

名は、江戸時代の弘化3年(1846年)、オランダからの献上品のガラス器が入った箱に割れ防止のためにこの草が詰め物として入っていたことからついた。別名クローバーオランダゲンゲという。現在広く全国に生えているものは、これとは別ルートでほかの牧草とともに入ってきたものといわれる。
ヨーロッパ原産の牧草で、野生化して日本全土いたるところに生えている多年草。子供の頃に女の子が花飾りを作って遊んでいたが、今の子供はきっとそんな遊びはしないのだろう。葉はまれに4小葉のものがあり、幸せをよぶという四つ葉のクローバーを必死になって探し、本に挟んで押し葉にした思い出を持つ人も多いと思う。牧草として、またカバープランツとしても利用され、花や葉は食用になり、蜜源としても利用される。

全体無毛で茎は地をはい、ところどころの節から根を下ろし、葉と花序が立ち上がる。
葉は互生し、ふつう掌状の3小葉からなる複葉。まれに1小葉から10数小葉まで奇形の葉が出る。小葉は長さ1-2.2cm、幅0.8-1.8cmの広倒卵形~円形~倒心形で先は浅くくぼむか円形、両面とも無毛、縁に細かい歯牙があり、表面に白緑色~赤褐色の斑紋があるものが多い。葉柄は長さ5-20cmで下部で托葉と合着する。托葉は先が細くとがり、長さ1cm以下。
花序は葉腋から根出し、花序の柄は長さ10-30cm。花は白色またはやや淡紅色を帯びた蝶形花で長さ0.8-1.2cm。長さ約3mmの花柄があり、30-80花が直径1.5-3cmの球形の頭状花序に集まってつく。萼は緑白色で10脈があり、長さ約4mmで上部が5裂し、萼裂片は狭卵形、鋭尖頭で筒部より短く、上部の裂片は他より長く約2mm。旗弁は他の花弁より長く、中部から斜上開出し、基部で他の花弁と合着する。翼弁は旗弁の2/3長で竜骨弁より長く、0.7-1cm。柄の中部以下で竜骨弁と合着する。竜骨弁は6-8mm、柄で花糸と合着する。雄しべは2体。雌しべは長さ5-7mm、子房は長さ約1.5mmでふつう4個の胚珠を入れる。花は受粉が済むと外側から下向きに垂れ下がる。
豆果は無毛で、残存する萼と花冠に包まれて垂れ下がり、長さ4-5mm、幅約2mmの扁平な広線形で2-4個の種子を入れ、裂開しない。種子は長さ2mm弱、幅約1.5mmの倒心形。

桃色の花をつけるものをモモイロシロツメクサといい、花や葉が大型のものをオオシロツメクサという。花が紅紫色で茎が直立するものはムラサキツメクサといい、やはり牧草で帰化植物。
花期:3-10月
分布:帰化植物
撮影:2010.5.22 東京都国分寺市
シロツメクサ-2
花序は球形で30-80の花からなる。 2018.5.18 神奈川県三浦市

シロツメクサ-3
花は白色の蝶形花。 2018.5.18 神奈川県三浦市

シロツメクサの葉
葉は3小葉からなり、表面に斑紋があるものが多い。 2004.5.24 青森県三沢市

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