シロバナトウウチソウ

シロバナトウウチソウ(バラ科)[白花唐打草]

トウウチ(唐打)は中国の組紐のことで、名は白い花をつけて穂になって咲く姿をたとえたもの。

高山帯の湿った草地に生える多年草で、高さ30-60cmになる。東北地方特産種。
葉は根生し長さ15-35cmの奇数羽状複葉で、小葉は長さ0.5-2cmの柄があり5-7対つき、長さ2.5-5cm、幅1-3cmの楕円形で鋭い鋸歯があり、裏面は粉白色を帯び、脈上に軟毛がある。
花は直立する長さ2-6cmの円筒状の穂状花序に多数つき、穂先から開花してゆく。花の色はほとんどが白色だが、淡紅色のものもある。花弁はなく、花弁状の萼片が4個あり、長さ6-8mmの雄しべは4個で萼片から突き出る。雄しべの長さは萼片の2倍以上ある。葯は黄白色。

東北地方においてはナガボノワレモコウと見間違うかもしれないが、こちらは高山帯に生え花穂は上を向いて短いのに対し、ナガボノワレモコウは平地~亜高山のより湿ったところに生え、花穂が長く先が下垂することで区別できる。
北海道や中部地方に分布するタカネトウウチソウは、同じく花穂が直立するが、花は下から穂先に向かって咲き上がる。
花期:8-9月
分布:本(東北)
撮影:2009.8.2 岩手県一関市
シロバナトウウチソウ-2
花穂は垂れずに直立する。 2013.8.11 岩手県八幡平市

シロバナトウウチソウ-3
穂先から下へ向かって咲き進む。 2013.8.11 岩手県八幡平市

シロバナトウウチソウの葉
葉は奇数羽状複葉で、小葉は楕円形で鋭い鋸歯がある。 2009.8.2 岩手県一関市


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