シラネアオイ

シラネアオイ(キンポウゲ科)[白根葵]

北国では珍しいものではないが、登山者にとっては憧れの花で、急坂を黙々と登っているときにこの薄紫の優雅な花に出会うと、誰もが歓声を上げ、疲れも一気に吹き飛ぶ。
名は、花がタチアオイに似て、日光白根山に多かったことからの命名。
その白根山ではニホンジカが殖え過ぎ、食害でほとんど絶滅状態に陥った。現在、種をまいて復元を図っているという。また、各地の自生地でも心貧しい泥棒たちによる盗掘で急激に数を減らしている。東北地方の産直では、季節になると明らかに山採りしてきたのがわかる鉢植えが高値で店頭に並ぶ。
山地帯~亜高山帯に生える日本特産1属1種の多年草で、花時で15-20cm、花後50-60cmになる。雪解け直後の雪崩斜面などに群生し、サンカヨウと混生していることも多い。
かつてはキンポウゲ科に含められ、その後日本固有のシラネアオイ科とされ、1科1属1種であった。APG体系ではシラネアオイ科は廃止され元のキンポウゲ科に戻ることになったが、1属1種であることは変わりはない。
地下の横にはう太い根茎の先から根生葉1個か地上茎1個を出す。
根生葉と下の2個の茎葉には長い柄があり、長さ幅とも15-30cmの腎円形で掌状に7-11中裂する。裂片の先は鋭くとがり、縁に鋭い鋸歯がある。両面に毛があり、葉脈のくぼみが目立つ。上の1個は無柄で葉身は円形で鋸歯がある。
花は茎頂に1個つき、淡紅紫色~淡青紫色で直径5-10cmもあり、花弁のように見えるのは萼片で花弁はない。萼片は広卵形で4個、雄しべは多数、雌しべは2個あり下部で合着している。
果実は、2個の袋果が合着した扁平な台形状で長さ1.5-2cm、幅1.5cm。熟すと裂開し、種子は長さ1cmの倒卵形で縁に翼がある。
純白の花をつける品種をシロバナシラネアオイといい、まれに見つかる。
花期:4-7月
分布:北・本(中部以北)
撮影:2004.6.27 秋田県田沢湖町
シラネアオイ-2
2004.6.5 岩手県湯田町


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