シナノオトギリ

シナノオトギリ(オトギリソウ科)[信濃弟切]

名はオトギリソウの仲間で信濃の国(長野県)に多いことからついたのも。別名ミヤマオトギリ。オトギリの由来については、オトギリソウ参照。

亜高山帯~高山帯の湿った草地や砂礫地に生える多年草で、高さ10-30cmになる。
茎や葉、花に腺体があり、色素を含まない腺点を明点、赤い色素を含む腺点を黒点といい、透かして見るとよく分かる。オトギリソウの仲間の同定は、この明点と黒点の有無や位置が重要なポイントとなる。
葉は対生して茎を抱き、長さ1.5-4cm、幅0.9-1.4cmの卵状長楕円形~楕円形で全縁、質は薄い。全体に明点がまばらにあり、黒点は葉の縁にある。托葉はない。葉の形は変異が大きい。秋には葉は赤く染まる。
茎の先に直径2-2.5cmの黄色の5弁花を集散状に1-7個つける。花弁は長さ1-1.3cmで裏面に紅色のぼかしが入る。子房は長さ3.5-4mm、雄しべは長くて多数あり、花糸が下部で3つに合着している。雌しべは1個で花柱は子房より長く倒卵形で長さ5mm。萼片の全面に黒点が多く、黒線が混じる。
果実は長さ0.8-1cmの蒴果。

姿が同じで、中部地方以北に分布するイワオトギリは葉全体に黒点が散らばり、明点は少ないが少し混じる。北海道に生えるハイオトギリは、全体に大きく葉には黒点だけがあり、明点はない。
花期:6-8月
分布:本(東北地方南部、関東地方北部、中部地方)
撮影:2004.7.16 静岡市葵区

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