シマクサギ

シマクサギ(シソ科)[島臭木]

クサギに似ていて、伊豆諸島に生えるのでこの名がある。以前はクサギやアマクサギと混同されていたが、平成9年(1997年)に新種として発表された。

沿海地の林縁や道端に生える日本固有の落葉小高木。枝は長く緑色を保ち、ぼぼ無毛または僅かに毛がある。樹皮は灰色~暗灰色で円い皮目がある。
葉は対生し、長さ8-15cm、幅5-10cmの広卵形で基部は円形~切形、先はやや尾状にとがる。表面はほぼ無毛でやや光沢がある。葉柄はほぼ無毛。葉をちぎってもクサギ特有の悪臭はあまりない。
枝先や上部の葉腋から集散花序を出し、芳香のある花を多数つける。クサギと混生するところではシマクサギのほうがひと月ほど遅れて開花する。花冠は白色で5裂し、裂片は長さ0.8-1cm、半開したあと下向きに強く反り返る。花筒は長さ2-2.5cmでふつう紅色を帯びない。雄しべは4個、柱頭は2裂する。雄しべと花柱は短く、0.5-1.5cm花冠から突き出る。萼は初めから紅色を帯びるものも見られるが、初め淡緑色で紅色を帯びないのが普通。果期に濃紅色になり深裂して平開する。
果実は球形で光沢のある核果で、藍色に熟す。

クサギは雄しべが長く、花冠から2.5-3.5cm突き出る。花冠や萼片は紅色を帯びる。葉をちぎると強い悪臭がある。アマクサギは九州南部~沖縄に分布し、毛の少ないこと、葉に少し光沢があることはシマクサギに似るが、クサギと同様に萼や花筒は紅色を帯び、雄しべは長い。葉をちぎっても臭気はごく弱い。
花期:8-10月
分布:本(伊豆諸島・三浦半島)
撮影:2022.8.5 神奈川県三浦市
シマクサギ-2
沿海地に生える落葉小高木。 2022.8.5 神奈川県三浦市

シマクサギの花
4個の雄しべはクサギよりはるかに短い。

シマクサギの萼
萼は淡緑色で赤みを帯びない。 2022.8.5 神奈川県三浦市

シマクサギの果実
果実は球形で光沢のある核果で藍色に熟す。 2023.10.12 神奈川県三浦市

シマクサギの葉
表面はほぼ無毛でやや光沢がある。 2022.8.5 神奈川県三浦市

シマクサギの葉-2
裏面もほぼ無毛。脈が突き出る。 2022.8.5 神奈川県三浦市

シマクサギの樹皮
樹皮は灰色~暗灰色で多数の円い皮目がある。 2022.8.5 神奈川県三浦市

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