シデシャジン

シデシャジン(キキョウ科)[四手沙参]

名は、切れ込んだ花弁を神官が持つ四手(玉串につけた紙)に見立てたもの。シャジンとはツリガネニンジンまたはその生薬名で、根が似ていることから。

山地の林縁などに生える多年草で、茎は粗毛を散生し、直立して高さ0.5-1mになり、茎に縦の隆起線がある。根茎は横にはう。茎や葉を傷つけると白い乳液を出す。
葉は互生し、下部の茎葉は短い柄があり上部の葉は柄がなく小さい。長さ5-10cm、幅2-4cmの卵形~長楕円形で縁に不規則な鋸歯があり、先はとがり基部はくさび形。
茎頂と上部の葉腋から総状花序を出し、長さ1-3mmの花柄の先に青紫色の花をつける。雄性先熟花で、雄しべが先に熟して花粉を出し、雄しべが枯れると雌しべが伸びて柱頭を開く。萼の筒部は短い椀形で子房に合着し、上部は5深裂する。萼裂片は全縁の線形で長さ4-6mm。花冠は基部まで5裂し、裂片は長さ1-1.5cm、幅1-2mmの線形で平開して先は反り返り、しばしばねじれる。雄しべは5個、花冠裂片よりはるかに短く、花糸の基部に毛があり、葯は線形で反り返る。子房は下位で3室、花柱は花冠裂片とほぼ同長で柱頭は3裂する。
果実は直径5-6mmの扁球形の蒴果で胞背裂開する。
花期:7-8月
分布:本・九
撮影:2003.8.31 岩手県一戸町
シデシャジンの花
花冠は基部まで5裂し、裂片の先は反り返り、しばしばねじれる。 2004.8.28 青森県五戸町

シデシャジンの葉
葉は卵形~長楕円形で互生する。 2006.7.31 福島県南会津町


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