サワラン

サワラン(ラン科)[沢蘭]

名は湿原や湿地に咲くことからついたもの。別名アサヒランという。別名は花の色鮮やかさを朝日にたとえたもの。

低山帯~亜高山帯のミズゴケ湿原に生え、高さ15-30cmになる多年草。直径6-7mmで緑色の偽球茎から1個の葉と1本の細い花茎を出す。湿原の中で他の背の高い草に隠れるように生えているが、鮮やかな紅紫色の花はよく目立つ。
葉は根元に1個ついて直立し、長さ5-15cm、幅0.5-1cmの長披針形、基部は鞘となって花茎を包む。花茎の上部にごく小さな鱗片葉がつく。
花は鮮紅紫色でふつう横向きに1個(まれに2個)つき、花被片はあまり開かない。3個の萼片と2個の側花弁は長さ2-2.5cmの倒披針形で先はとがる。唇弁は萼片より少し長い倒卵状楕円形で先は浅く3裂するが先は円い。中裂片に白い縦の隆起線がある。蕊柱は長さ2cm。花粉塊は4個。

トキソウと同じようなところに生え、丈も似たようなものであるが、北奥羽ではトキソウより見かけることはずっと少ない。まれに白花のもの(品種)があり、シロバナサワランという。霧ヶ峰などに生えるキリガミネアサヒランは花が上向きに咲き、唇弁は細く全縁。
花期:6-7月
分布:北・本(中部地方以北・奈良県)
撮影:2006.7.29 福島県南会津町
サワラン-2
花は横向きに咲く。 2006.7.30 福島県檜枝岐村


検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。