サンカヨウ

サンカヨウ(メギ科)[山荷葉]

山荷葉の字を当てているが、中国では別の植物のことだという。山荷葉の荷は蓮のことで、山に生える蓮の葉という意味。

多雪地の低山帯~亜高山帯の針葉樹林の渓流沿いなど湿った林内や林縁に生え、茎は直立し高さ30-60cmになる多年草。全体に縮毛がある。生長が速く、1日で5-10cmも茎を伸ばすという。横に根茎を伸ばし、多くのひげ根を出す。
茎の途中で単葉の茎葉がふつう2個互生する。根生葉はない。茎葉は腎円形で両端が深く湾入し不揃いの欠刻状鋸歯がある。脈のへこみが目立つ。下の葉は長い柄があり、長さ10-30cm、幅12-35cmと大きく、楯状に葉身の中央に葉柄がつく。上の葉は小さくほとんど無柄で楯状にならない。
雪解け直後の葉が開ききる前に、直径2cmの白い花を小さいほうの葉の基部に3-10個咲かせる。外萼片は緑色で開花すると落ち、6個の内萼片は長さ1cmで白色。花は雨に濡れると透き通り、ガラス細工のように美しい。雄しべは6個で葯は黄色、雌しべはで1個で緑色。
果実は長さ1-1.3cmの楕円形の液果で、粉白を帯びた濃青紫色に熟し、ほんのり甘酸っぱく食用になる。
花期:5-7月
分布:北・本(中部地方以北の主に日本海側・紀伊半島・伯耆大山)
撮影:2004.6.5 岩手県湯田町
サンカヨウ-2
林床を被うように咲く。 2018.7.2 長野県小谷村

サンカヨウ-3
花は2個の小さい苞の茎葉の基部につく。 2018.7.2 長野県小谷村

サンカヨウ-4
6個の内萼片は花弁状。外萼片は開花時に落ちる。 1999.6.20 岩手県安代町

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