サネカズラ

サネカズラ(マツブサ科)[実葛・真葛]

名は、果実がよく目立ち、つる性であることからついたもの。サナカズラともいい、サナカズラの名は滑り葛の意といわれる。茎を一晩水に浸すか煮出してできる粘汁を整髪に用いたことからビナンカズラ(美男葛)の別名もある。

山地や丘陵に生えるつる性の常緑木本。庭木として植栽もされる。低木や小高木にS巻き(上から見て時計回り)に絡んではい登り、長さ2-10mになる。つるは太くなると樹皮が厚いコルク質になる。
葉は互生し、長さ5-12cm、幅3-5cmの長楕円形~長卵形で質は厚く光沢があり、縁に低い鋸歯がまばらにある。先は鋭くとがり基部は円形。両面とも無毛で表面は濃緑色、裏面は淡緑色で葉柄とともにしばしば赤紫色を帯びる。葉柄は長さ1-3cm。
葉腋に直径1.5-2cmの花が1個ずつ垂れ下がって咲く。花弁状の花被片は淡黄色で大小合わせて8-17個。雄花は紅赤色の雄しべが球状に集まり目立つが、雌花は淡緑色の雌しべ多数が球状をなす。雌雄異株または雌雄同株でまれに両性花もつく。上の画像は雄花。
果実は雌花の花床が球状に膨らんで液果が集まった直径2-3cmの集合果となり、10-12月に赤く熟す。1個の液果に種子は2-5個入っており、長さ5mmの腎形でつやがある。果実が鳥に食べられたり落ちた後は果床が残り、ヤマボウシの果実に似た姿になる。
花期:8-9月
分布:本(東北地方南部以西)・四・九・沖
撮影:2015.11.22 京都市左京区
サネカズラ-2
雄花。 2016.9.6 神奈川県横須賀市

サネカズラの葉
葉は厚く光沢があり、まばらに低い鋸歯がある。 2018.10.22 川崎市宮前区

サネカズラの若い果実
未熟な果実。 2016.9.6 神奈川県横須賀市

サネカズラの果実-2
果実は集合果で、和菓子の「鹿の子」を思わせる。 2018.10.22 川崎市宮前区

サネカズラの果床(花床)
果実が鳥に食べられたり落果したあとは、果床が残りヤマボウシの果実に似る。 2020.1.9 川崎市宮前区


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