ラショウモンカズラ

ラショウモンカズラ(シソ科)[羅生門葛]

その優美な花姿とは裏腹に、名の由来は、花冠の形を京都の羅生門で渡辺綱が切り落とした鬼女の腕にたとえたものといわれるが異説もある。

山地のやや明るい湿った林内にまばらに生える多年草で、茎は4稜形で長毛がまばらにあり、高さ20-30cmになる。全体に独特の臭いがあり、花後、「かずら」の名のとおり長い匐枝を地上に伸ばして広がる。
葉は質が薄くて対生し、長さ2-5cm、幅2-3.5cmの3角状心形で先はとがり、基部は心形、縁に粗い鈍鋸歯がある。下部の葉は長さ2-4cmの葉柄があるが、上部の葉の葉柄はごく短く、茎を抱く形になる。
茎の上部の葉腋ごとに、日本産のシソ科としてはかなり大振りな、長さ4-5cmで淡紫色~紫色の唇形花を一方に偏って横向きにつける。上唇は短くて2裂し、下唇は3裂する。下唇の中央裂片は大きく、下方に反り返って2浅裂し、濃紫色の模様がある。喉部先端に開出する長い白毛がある。雄しべは4個で斜上して上唇の下側に並ぶ。4個のうち2個が長い。萼は長さ約1.3cmの筒形で15脈があってまばらに開出毛が生え紫色を帯びる。先は5浅裂し、裂片は3角形。
果実は4分果。分果は長さ約3mmの卵形でまばらに細毛がある。
花期:4-6月
分布:本・四・九
撮影:2004.5.9 仙台市太白区
ラショウモンカズラ-2
葉腋ごとに段々に花をつける。 2004.5.7 群馬県黒保根村

ラショウモンカズラの花
下唇に白色長毛が生える。 2018.4.26 東京都八王子市

ラショウモンカズラ-3
萼は紫色を帯びて開出毛が生え、萼裂片は3角形。 2018.4.10 東京都八王子市

ラショウモンカズラの葉
下部の葉は柄があるが、上部の葉の柄はごく短く、茎を抱く形になる。 2004.5.2 埼玉県東秩父村


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