オランダカイウ

オランダカイウ(サトイモ科)[和蘭海芋]

南アフリカ原産で、花卉として江戸時代の天保年間(西暦1830-1844年)にオランダから渡来した帰化植物で、高さ0.3-1mになる多年草。別名カラーといい、単にカイウともいわれ園芸植物として流通している。エチオピアでは国花とされている。
カイウとは海芋で、海外から渡ってきた芋という意味。英名をCalla Lilyといって、修道女の僧服のカラー(えり)にたとえてついたもの。ただし、学名上のカラー(Calla)はヒメカイウ属のことで、本種はオランダカイウ属(Zantedeschia)。

逸出して水路などで野生化しており、それほど多くは見ないが、今後の消長が気になるところである。園芸植物としてはいいが、日本の風景にはこの大ざっぱな植物は全く似合わず、強い違和感を感じる。カイウといえば、野草愛好者なら日本の野生種であるヒメカイウを想起するはずで、ヒメカイウなら慎ましく花開き親近感が湧くが、絶滅危惧種であり見ることが難しくなった。
根茎から長い葉柄のある肉厚でつやがある大型の葉を出す。葉は広卵形で基部が心形となる。葉の間からサトイモ科特有の仏炎苞に包まれた肉穂花序を出し、黄色の小花を密生してつける。仏炎苞は純白でラッパ状に巻かれて上向きに開き、先は下向きに反り返る。花には芳香がある。果実は液果。
花期:4-7月
分布:帰化植物
撮影:2011.5.5 東京都国分寺市
オランダカイウの肉穂花序
肉穂花序に黄色の小花を密生。 2020.5.20 横浜市中区

オランダカイウの葉
葉は肉厚で基部は心形。 2020.5.20 横浜市中区

ヒメカイウに戻る


検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。