オオカワヂシャ

オオカワヂシャ(オオバコ科)[大川萵苣]

在来のカワヂシャより全体に大きいのでこの名がある。オオカワヂサともいう。カワヂシャとは川沿いに生えるチシャ(レタスの仲間)の意で、若菜はシャキシャキして食べられることからついたもの。
ヨーロッパ~アジア北部原産で、大正時代までには渡来していたと推定される。既存のカワヂシャと交雑して雑種個体をつくることが分かっているため、外来生物法で特定外来生物に指定されており、栽培・運搬などが原則、禁止されている。東北地方北部には侵入していないといまだにいわれることもあるが、上の画像は野生状態で生育していたものを平成17年(2005年)に青森県で撮影したもの。青森県にはもともとカワヂシャは分布していないので、ホナガカワヂシャではなくオオカワヂシャだろうと思う。

水路や河川敷、湿地などに生える越年草。茎は無毛で軟らかく、直立または斜上して高さ0.3-1mになる。
葉は対生し、長さ3-7cm、幅1-2cmの長楕円形~披針形で先は短くとがり基部は無柄で茎を抱く。縁に細かい鋸歯があるが少なく、全縁に見える。両面とも無毛。
上部の葉腋に総状花序を出し、直径6-8mmほどの花を多数つける。苞は長さ2-3mmの線形。花柄は無毛で長さ4-8mm。萼は無毛で4深裂し、裂片は長さ2-3mmの披針形で先はとがる。花冠は淡青紫色、直径6-8mmの皿形で4深裂する。
果実は直径約4mmの球形で先端がへこんだ蒴果で、長さ1.5-3mmの花柱が残る。種子は長さ0.4mmの楕円形で平滑。

在来のカワヂシャは、葉の縁に細かい明瞭な鋸歯が多数あること、残存花柱は長さ1-1.5mmであること、花冠がオオカワヂシャに比べて小さく、白色または白色に近いことで区別する。オオカワヂシャの花色は鮮やかで、晴天下でも白く見えることはない。また、よくいわれる果柄の開出や湾曲の程度では区別できない。
カワヂシャとオオカワヂシャの中間的な形態を示す両種の雑種も見つかっており、花序が長いことからホナガカワヂシャとよばれている。
花期:4-9月
分布:帰化植物
撮影:2005.7.2 青森県八戸市
オオカワヂシャ-2
葉の鋸歯は目立たず、ほぼ全縁のものが多い。 2019.6.14 神奈川県藤沢市

オオカワヂシャの花
花は濃色で大きい。 2019.6.14 神奈川県平塚市

オオカワヂシャの花柱
残存花柱は長く、1.5-3mm。 2019.6.14 神奈川県藤沢市

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