オオカナダモ

オオカナダモ(トチカガミ科)[大加奈陀藻]

名は、北アメリカ原産のカナダモに似ていて葉が大型なのでこの名がある。
大正時代の中期に植物生理学の実験用にアメリカから導入されたといわれ、1940年代に野生化が始まったと考えられている。雌雄異株だが日本で見られるものは全て雄株。栄養繁殖で殖え、ちぎれた茎から再生して分布を広げている。
水質汚染に強く、1970年代の琵琶湖を始め各地に爆発的に広がったが、かつての勢いはなくなった。環境省・農水省の生態系被害防止外来種で重点対策外来種指定。アナカリスの名で流通している。

アルゼンチン原産で湖沼や河川、水路に生える常緑で沈水性の多年草。茎は太さ2-3mmの8角円柱形で折れにくく、水中を長く伸び、途中から枝を出して長いものは3mに達する。下部の節から白色のひげ根を泥中にまばらに出す。
葉は鮮緑色で茎に密に3-6輪生(ふつう4輪生)し、長さ1.5-4cm、幅1.5-4.5mmの線形で中脈があり、縁の上半に細鋸歯があり先はどがる。
雄花は葉腋にできる無柄の苞鞘の中に2-4個でき、長さ3-5cm、太さ約1mmの花柄を水面より上まで伸ばし、直径1-1.5cmの白色の一日花を開く。萼片は淡緑色で3個、長さ2-4mm、幅1-3mmの卵形。花弁は白色膜質で3個、長さ0.5-1cm、幅3-8mmの広楕円形で表面に2-4筋のひだがある。雄しべは9個で内側の3個は直立し、ほかの6個は斜開する。花糸は鮮黄色で長さ2mm、葯は濃黄色で長さ0.5-1mm。雌花は苞鞘内で1個だけでき、直径1.2-2cm、柱頭は3裂。

コカナダモは葉がふつう3輪生し、オオカナダモより小さく、長さ0.5-1.5cm、幅1-2.5mm。雄花は苞鞘内に1個だけできる。在来のクロモは葉がふつう5輪生、雄しべは3個。
花期:6-10月
分布:帰化植物
撮影:2022.6.17 神奈川県茅ヶ崎市
オオカナダモ-2
花は直径1-1.5cm。花弁の内側に2-4個のひだがある。雄しべは9個。 2022.6.17 神奈川県茅ヶ崎市

オオカナダモ-3
葉は鮮緑色でふつう4輪生し、長さ1.5-4cmと大型。 2022.6.17 神奈川県茅ヶ崎市


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