オオバタチツボスミレ

オオバタチツボスミレ(スミレ科)[大葉立坪菫]

亜高山帯の湿地や深山の林下に生える全体無毛の多年草。地上茎のある大型のスミレで、茎は直立し高さ20-40cmになるが倒れやすい。環境省レッドリスト準絶滅危惧(NT)。
北海道東部・北部では、海岸の草地や泥炭地にも生えて普通に見られるが、本州では数が少なく、高山などの湿地に隔離分布する。
タチツボスミレの名前がついているが、ツボスミレ(ニョイスミレ)に近いものであり、日本産のスミレの中では最も花が大きい。根茎は太く、密に結節して伸びる。
葉は根生葉と茎葉があり、根生葉は少数で長い柄があり、花期にはすでに枯れている。茎葉は茎の上部に数個つき、脈が深く硬そうに見えるが質は軟らかい。葉身は円心形で長さ3-7cm、幅4-8cm、縁に波状の鋸歯があり、基部は心形で先は鈍頭または短く鈍くとがる。托葉は大きく、長さ1-2cmの披針形で全縁またはまばらな浅い鋸歯がある。
茎葉の腋から花柄を出して直径2.5-3cmで淡紫色~紫紅色の花をつける。花は全ての花弁に紫色の筋が入る。側弁の基部に白毛が密生し、距は太く、長さは3-4mmと短い。萼片は広披針形。
知床山系の高山に生え、従来オオバタチツボスミレの高山型変種と考えられていたタカネタチツボスミレは、側萼片の先がとがらないなどの違いがある。
花期:4-7月
分布:北・本(中部地方以北)
撮影:2002.5.26 青森市
オオバタチツボスミレ-2
花は日本産のスミレの中では最大。全ての花弁に紫条が入る。托葉は櫛の歯状にならない。 2003.5.25 青森市


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