オオバクロモジ

オオバクロモジ(クスノキ科)[大葉黒文字]

名は、クロモジに似て葉が大きいことからついた。クロモジの名は幹や枝が緑色を帯びていて黒い斑点があり、これを文字に見立てた。

山地の落葉樹林下に生え、高さ3-5mになる雌雄異株の落葉低木。早春の花の少ない山ではかなり目立つ存在。
葉は枝先に集まって互生してクロモジに比べると大きく、長さ8-13cmの卵状長楕円形~狭長楕円形で全縁、先は鈍くとがる。表面は無毛で裏面は成葉でも主脈に沿って淡黄色の軟毛があり、脈は隆起する。秋に黄葉する。
葉の展開と同時に小枝の節に散形花序を出して、やや透き通った淡黄緑色の花を多数つける(上の画像が雄花序、下の画像が雌花序)。花被片は6個で花後に脱落する。雄花は雄しべが9個、雌花は仮雄しべが9個と6個の腺体に囲まれた雌しべが1個ある。
秋に直径5-6mmの球形の液果をつける。種子は1個で球形。

材は香りがいいので、削って高級な楊枝に加工される。材に油分が多くかまどの焚き付けに最適なので、クロモジとともに炭俵の上下の口止めとして使われた。
クロモジは岩手県の太平洋側~九州北部に分布し、オオバクロモジより全体に小型で葉の長さは5-10cm。葉の大きさ以外はほぼ同じで、葉の大きさは変化がありどちらとも決めかねる株も多い。
花期:3-5月
分布:北(渡島半島)・本(主として日本海側)
撮影:2003.4.29 青森県十和田市
オオバクロモジ-2
雌花序。 2008.4.20 秋田県八峰町

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