オニマタタビ

オニマタタビ(マタタビ科)[鬼木天蓼]

名は、マタタビの仲間であって全体に剛毛が生えることからついたものだろう。別名シナサルナシといい、改良種はキウイフルーツの名で親しまれている。
中国南部・台湾原産のつる性落葉木本で雌雄異株。ニュージーランドで食用栽培植物として改良された。果樹や庭木として家庭でも栽培されることから、しばしば逸出して山野の斜面をクズのようにマント状に覆っているのを見る。

若枝は褐色の開出した長毛が密生し、他の樹木などにZ巻き(上から見て反時計回り)に絡みつきながら伸び、長さ10m以上に達する。髄は梯子状。樹皮は暗褐色で短く縦に裂け、裂け目は黒く見える。
葉は互生し、長さ10-15cmの円形~広卵形で縁に鋭鋸歯があり、基部は心形で先は円形または短くとがる。質はやや厚く、表面はやや光沢があってしわが目立ち、裏面は星状毛を密生し、脈上に褐色の剛毛がある。葉柄は長さ3-10cmで褐色の開出毛がある。托葉はない。
葉腋から集散花序を出し、香りのよい白い花を1-3個下向きにつける。花弁は広倒卵形で5-6個、はじめ白色だが黄白色に変化する。雄花は直径2.5-3cm。萼片は楕円形で5個、褐色の剛毛を密生する。雄しべは多数、花糸は長さ約5mmで無毛。葯は長さ2mmで黄色、花糸に丁字状につく。両性花は直径3-4cmと雄花よりやや大きく、子房は扁円形で密に褐色軟毛が生え、多数の花柱が放射状に開出する。
果実は卵形の液果で褐色の毛を密生し、11-12月に熟す。原種は長さ3-5cmだが、改良種は5-8cmと大型。果肉は緑色で酸味と甘みがある。

サルナシは近縁で果実が食用となり、生食のほか果実酒などにする。マタタビは花期に枝先の葉が白くなる。果実の先はとがる。
花期:5-6月
分布:
撮影:2019.6.3 神奈川県小田原市
オニマタタビ-2
枝は登るように長く伸びる。 2019.6.3 神奈川県小田原市

オニマタタビの雄花
雄花には多数の雄しべがある。葯は黄色。 2019.6.3 神奈川県小田原市

オニマタタビの萼
萼は5裂し、褐色の毛が密生する。 2019.6.3 神奈川県小田原市

オニマタタビの葉
葉は円形でやや厚く、表面はしわが目立つ。 2022.10.26 横浜市南区

オニマタタビの葉-2
裏面は星状毛が密生する。托葉はない。 2022.10.26 横浜市南区

オニマタタビの果実
果実。 2022.10.26 横浜市南区

オニマタタビの樹皮
樹皮は暗褐色で点状~縦に裂け、裂け目は黒く見える。 2022.8.24 横浜市南区

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