オクエゾサイシン

オクエゾサイシン(ウマノスズクサ科)[奥蝦夷細辛]

山地の湿った落葉樹林下に生え、高さ10-15cmになる多年草。トウゴクサイシンと分布域の重なる青森県では、標高の高いところに本種が見られる。
地中の短い根茎の先から長い柄のある対生状の2個の葉を出し、秋に落葉する。葉は幅5-12cmの卵心形で全縁、先は鈍く基部は深い心形。
花は2個の葉の間から出る長さ1.2-1.5cmの柄の先に1個横向きにつく。花弁はなく、萼筒は長さ0.5-1cm、幅1-1.5cmの球形の壺状で濃紫褐色を帯び、萼筒入口は狭く萼筒径の半分以下。萼筒内壁は白色または淡桃色に暗紫色が混じり全体が暗紫色になることはない。内壁に縦に低く隆起したひだが15-27本ある。3個の萼裂片は3角状広卵形で長さ3.5-9mm、先はあまりとがらず外側に強く反り返る。表面に短毛が生える。雄しべは12個、葯は黄白色、花柱は6個。
果実は蒴果であるが液果状で熟すと崩れ、楕円形で種枕のある種子が転がり出る。
よく似たトウゴクサイシンは、萼筒入口が広く萼筒径の半分以上あり、オクエゾサイシンと同じく萼筒内壁全体が暗紫色を帯びることはなく、白色または淡桃色の部分がある。
ウスバサイシンは萼筒入口が広く萼筒径の半分以上あり、萼筒内壁全体が暗紫色を帯びる。
トウゴクサイシンのページでも記載したが、近年、ウスバサイシン節植物の分類に新たな検討が加えられ、3つの新種を含む7種に分類されるようになった。それによると日本のウスバサイシン節の植物は、中部地方・関東南部から中国地方に広く分布するウスバサイシン、阿蘇山地のアソサイシン、北海道・東北地方北部のオクエゾサイシン、四国・九州中部のクロフネサイシンの4種に、新種として関東・中部地方北部から東北地方一円のトウゴクサイシン、島根県のイズモサイシン、群馬・長野・栃木・新潟各県の県境部のミクニサイシンの3種を加え、計7種が分布するものとされた。
本種オクエゾサイシンについては、以前このサイトに掲載していたが、一度削除していた。今回(2016年)新たな知見(分類方法)に基づき再度掲載した。
花期:5-6月
分布:北海道・本州(北部)
撮影:1999.5.12 青森市

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