ノハカタカラクサ

ノハカタカラクサ(ツユクサ科)[野博多唐草]

野生化しているハカタカラクサということでこの名があり、「博多唐草」は斑の入った葉を博多織の柄に見立てたもの。別名トキワツユクサという。

南アメリカ原産の常緑の多年草で、白斑の入った観葉植物として導入されたT.fluminensisの園芸品種のうちTricolorまたはLaekenensisが斑を失ったものと推定されている。野生化して林下や石垣、崖地などに生えている。生態系被害防止外来種(重点対策外来種)指定。
茎は紫色を帯びて長く地をはうかまたは斜上し、分枝して長さ1m以上になり、地に接する節から不定根を出す。
葉は無柄、葉身はやや多肉で暗緑色。長さ3-6cm、幅1.5-2cmの卵状楕円形~楕円形。縁は全縁で少し波打ち、先はとがり、基部は長さ約1cmの口部に粗い毛が長毛がある葉鞘となる。葉身の縁に微細な白毛があるが葉面は無毛。葉裏は茎と同様に紫色を帯びる。
茎の先の葉腋に直径1-1.5cmの白色の花を数個つける。外花被片(萼片)は緑色で3個、長さ約7mmの長卵状楕円形で先はとがり、外面に毛が散生する。内花被片(花弁)は白色で3個、長さ約8mmの長卵形でややとがる。雄しべは白色で6個、長さ約8mmで花糸に数珠状細胞が並んだ長毛が密生する。子房は長さ約2mmの倒卵形で花柱は1個、長さ約6mmの線形。
結実し、果実は小さく種子は黒色。

葉が裏面も緑色でやや大きく、結実しないものをミドリハカタカラクサといい、園芸品種シロフハカタカラクサが斑を失ったものと推定されており、野生化しているもののほとんどはこれ。
オオトキワツユクサは園芸植物のシラフツユクサが斑を失ったもので、葉は長さ7-12cmと大きい。吊り鉢に植えられるヒメトキワツユクサ(ブライダルベール)もまれに野生化しており、花が小さく、内花被片は長さ2-3mm。
花期:4-8月
分布:帰化植物
撮影:2015.6.23 横浜市南区
ノハカタカラクサの花
肉眼では見えないが、雄しべの花糸に数珠状細胞が並んだ長毛が密生する。 2019.5.19 横浜市南区

ノハカタカラクサの葉
茎や葉の裏面は紫色を帯びる。 2019.5.19 横浜市南区

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