ノボロギク

ノボロギク(キク科)[野襤褸菊]

夏に山地で咲くサワギクの別名をボロギクといい、この花の野にあるものというのが名の由来だといわれる。本種も果実が熟すとぼろくずのような白い球状になる。

ヨーロッパ原産で明治の初めに渡来した1年草~越年草で、現在は畑や道端などにごく普通に生えていて高さ15-40cm。茎はまばらに毛があって紫褐色を帯びて直立し、多肉で軟らかくよく分枝する。全草にセネシオニンというアルカロイドを含み、誤食すると嘔吐、下痢、肝障害を起こす。
葉は互生し、濃緑色で表面にやや光沢があって軟らかく、長さ3-5cm、幅1-2.5cmの広線形~倒披針形で不揃いに羽裂して裂片はさらに裂け、基部は広がって半ば茎を抱く。
頭花は直径5mmほどで茎の先や葉腋から出る枝先につき、春から夏が最盛期だが、暖地のみならず雪のほとんど降らない青森県東部でもほぼ1年中咲く。総苞は鐘形で長さ0.8-1cm。総苞片は1列で長さ6mmの線形で緑色、先は紫黒色。基部に先が紫黒色で長さ1-3mmの線形の小苞がある。頭花は舌状花が退化して黄色の筒状花のみからなるが、まれに少数の小さな舌状花が出るものもある。花冠の先は5裂する。花床に鱗片はない。
痩果は長さ1.5-2.5mmの円柱形で先は切形、縦に10条があり脈に沿って上向きの伏毛が生える。冠毛は多数あり白色で細く長い。
花期:通年
分布:帰化植物
撮影:2004.3.30 青森県八戸市
ノボロギク-2
総苞片の先は紫黒色。 2010.2.21 青森県八戸市

ノボロギクの冠毛
果実が熟すと白色の球状になる。 2021.3.26 横浜市中区

ノボロギクの葉
葉は不揃いに羽裂する。 2021.3.26 横浜市中区


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