ナンブソウ

ナンブソウ(メギ科)[南部草]

植物採集家の須川長之助が岩手県で採集し、ロシアの植物学者カール・ヨハン・マクシモビッチが南部地方(青森県東部、岩手県北部・中部、秋田県北東部の一部のことをいう)産として発表した。

深山の薄暗い広葉樹林下にまれに生える全体無毛の多年草で、高さ15-30cmになる。本州での個体数は少ない。
地中を横にはう細い根茎から長さ15-20cmの長い柄がある1個の根生葉を出す。茎葉はない。根生葉は3出複葉で小葉は無柄で薄く、頂小葉は長さ5-8cm、幅3-6cmの倒卵形で先が3浅裂、側小葉はゆがんだ扇形で先が波状に浅裂し裂片の先は鈍い。
花茎は直立し、葉より高い位置に穂状に白色の花を多数つける。小花は直径7mmほどで長さが3mmほどの不揃いの雄しべ9-15個と1個の雌しべからなり、花弁や萼片はない。
果実は長さ3-4mmの腎形の袋果。
花期:5-6月
分布:北・本(北部)
撮影:2009.5.16 秋田県北部
ナンブソウ-2
葉より高い位置に花穂を伸ばす。 2009.5.16 秋田県北部

ナンブソウ-3
小花は直径7mmほどで9-15個の雄しべと1個の雌しべからなり、花被はない。 2009.5.16 秋田県北部

ナンブソウ-4
根生葉は3出複葉で大きい。茎葉はない。 2009.5.16 秋田県北部


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