ムシトリナデシコ

ムシトリナデシコ(ナデシコ科)[虫捕撫子]

茎の上部の節の下から褐色の粘液を出し、ここに蟻などの小さな虫がくっついていることからこの名がついたが、食虫植物ではなく、虫が上がってくるのを阻止するための仕掛け。動けなくなった虫は、溶かされるわけでもなく、そのままさらしものになる。

南ヨーロッバ原産で、茎は直立し高さ20-60cmになる1年草~越年草。江戸時代末期に観賞用に持ち込まれたものが野生化した。美しいので今でも庭に植えている人がいる。生態系被害防止外来種。道端に列になって生えたり、河原一面に群落をつくり、濃いピンクに染め上げていることがある。茎や葉は無毛で粉白色を帯び、いかにもバタくさい雰囲気を漂わせている。
葉は無柄で対生し、長さ1.5-5cm、幅0.5-1.8cmの楕円形~長卵形で全縁、基部は左右に張り出して茎を抱く。
茎頂と上部の葉腋に集散花序を出し、直径1-1.5cmの紅色~淡紅色~ほぼ白色の花を密生してつける。萼筒は長さ1.5cm、10脈があり、先は浅く5裂する。花冠は5裂して平開し、裂片は長さ6mmほどで先は浅くくぼむ。舷部の基部に2個の鱗片がつく。花柱は3個。
果実は先が6裂した長さ1.5cmほどの長楕円形の蒴果で果柄は長さ7-8mm。種子は幅0.6-0.8mmの半円盤状で多数のしわがある。
花期:5-8月
分布:帰化植物
撮影:2010.7.25 青森県六ヶ所村
ムシトリナデシコ-2
花の色は紅色~淡紅色、白色まで多彩。2006.7.9 秋田県男鹿市


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