モウセンゴケ

モウセンゴケ(モウセンゴケ科)[毛氈苔]

杓子状の葉の表面の腺毛が赤いので、湿原に敷き詰められたように生えていると、赤い毛氈を敷いたように見え、一つひとつは小さいのでコケの名を借りてこの名がある。毛氈とは、獣の毛の繊維に熱や圧力を加えて織物のように仕上げたものをいい、野天の席に敷かれた赤い敷物がそれである。
低山帯~亜高山帯の日当たりのよい酸性湿地に生える代表的な食虫植物で、花茎の高さ5-20cmになる多年草。葉で食虫して養分を得ながら光合成も行う。地上茎はほとんどない。
葉はロゼット状に根生し、長さ幅とも0.5-1cmの倒卵状円形で基部は急に細くなり2-8cmの長い柄に続く。初めは内側に巻き込んでいてやがて伸びる。表面と縁に紅紫色の腺毛が多数あり、先から粘液を出して触れた小昆虫を捕らえ消化酵素を出して養分を吸収する。縁の腺毛のほうが表面の腺毛より長い。獲物が掛かると腺毛が徐々に湾曲し、葉も獲物を包み込むように曲がる。
夏に葉の中心から細長い花茎を伸ばし、渦巻状の花序に数個の白い花を咲かせる。花は直径1-1.5cmで、花序を伸ばしながら下から1花ずつ咲き進み、開花している花は常に上を向く。花弁は長さ4-6mmの倒卵形、雄しべは5個で葯は白色、花柱は3個で先は2裂する。萼片は狭長楕円形で縁に短い腺毛がある。花茎は無毛。
果実は長さ4-6mmの楕円形の蒴果。種子はほぼ線形。
北海道と鳥海山、尾瀬など生えるナガバノモウセンゴケは、葉が線状倒披針形で長い。
尾瀬に生えるサジバモウセンゴケはモウセンゴケとナガバノモウセンゴケの雑種で、葉は両者の中間的な形態となる。
コモウセンゴケは、葉はモウセンゴケより小型で、基部はしだいに細くなり柄となる。花は淡紅色。
花期:6-8月
分布:北・本・四・九
撮影:2009.8.2 岩手県一関市
モウセンゴケの葉
モウセンゴケの葉。長い腺毛がある。 1998.6.21 青森市


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