モミジガサ

モミジガサ(キク科)[紅葉笠・紅葉傘]

通常、名の由来については葉がモミジの形をしており、若いときに傘をすぼめた形であることからついたとされる。なお、昭和11年(1936年)完成の平凡社の権威ある「大辞典」では、紅葉傘と紅葉笠を分けて掲載しており、「紅葉傘」は中央を青色で貼り、外側を白色で貼った雨傘で江戸初期に流行、「紅葉笠」は菅笠の一種で日照笠をいい、キク科のモミジガサのことでもある、との記載があるという。これによれば確かにカサは笠との表記となるが、「大辞典」の記載自体が正しいのかはよく分からない。別名シドケモミジソウ
代表的な山菜の一つで、東北地方では広くシドケとよばれ、ほのかな苦みと特有の香りで親しまれているが、クセは強めなので好みは分かれる。山菜採りでヤブレガサと間違うことはないと思うが、もし間違ってもヤブレガサもおいしく食べられるので心配はない。

山地の沢沿いなど、湿り気のある林内に生える多年草で、茎は直立し上部に短い縮毛があって高さ60-80cmになる.。短い根茎を横に伸ばして先に新苗をつくって殖える。
葉は翼のない長い柄があって多数が互生し、葉身は薄く、長さ7-15cm、幅8-20cmで掌状に6-7中裂し、縁に不規則な歯牙がある。上部の葉は柄が短くなり小型で3-5中裂する。表面は無毛でやや光沢があり、裏面はまばらに絹毛がある。
茎の先の細い円錐花序に多数の頭花を横向きにつける。一つの頭花は5個の両性の筒状花からなる。総苞は淡緑白色で長さ0.8-1cmの狭い筒状。総苞片は1列で5個。小花は5個で僅かに紫色を帯びた白色で浅く5裂する。花床に鱗片はない。
痩果は長さ5mmの円柱形で無毛。冠毛は白色で長さ6-8mm。

テバコモミジガサは関東地方~近畿地方の太平洋側、四国、九州にややまれに分布し、全体に小さく、葉もモミジガサより小さく、表面に毛があって光沢はなく、葉脈は裏面に隆起する。総苞は長さ5-6mm。細長い根茎が発達する。
花期:8-9月
分布:北(西南部・日高)・本・四・九
撮影:2018.10.16 東京都八王子市
モミジガサの葉
名の由来は葉の形から。 2018.5.10 川崎市宮前区

モミジガサの花
頭花は全て両性の筒状花からなる。 2018.10.16 東京都八王子市

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