ミヤマシラスゲ

ミヤマシラスゲ(カヤツリグサ科)[深山白菅]

名は、シラスゲに似ていて葉裏が白く、より深山に生えると思われたことによる。

丘陵地~低山地の水湿地に生え、細長い根茎があり地下を匐枝が横走して群生するやや大型の多年草。茎はやや太い3稜形で有花茎は高さ50-80cmになる。
茎の中部にも1-2個の葉があり、基部の鞘は淡色。葉は幅0.8-1.5cmの広線形で3脈が目立ち、厚くて軟らかく、下面は著しく粉白を帯びる。
茎の上部に小穂が直立し、頂小穂は雄性で汚黄色、長さ3-8cmの線形で柄がある。側小穂は雌性で2-6個あり、長さ3-6cm、幅7-9mmの円柱形で下方のものには柄があり、多数の果胞を密生してつける。苞は葉と同形の葉状で、茎より長く基部は無鞘。雌鱗片は狭長楕円形で先端は短い芒となり、芒と中肋は緑色で両側は白色。柱頭は3岐。
果胞は膜質で無毛、長さ3.5-4.5mmの広倒卵形で細脈がある。熟すと水平に開出して暗色になり、著しく膨らみ上部は急に短い嘴となって外側に反る。果胞は乾くと黒褐色になる。果実は長さ2mmの倒卵形で3稜がある。

カサスゲは葉の下面は粉白を帯びず、基部の鞘は赤褐色。果胞は熟しても膨らまない。
花期:5-6月
分布:北・本・四・九
撮影:2019.5.9 川崎市多摩区
ミヤマシラスゲの雌小穂(果胞)
果胞は熟すと著しく膨れる。 2019.5.9 川崎市多摩区

ミヤマシラスゲの頂小穂(雄小穂)
頂小穂は雄性。 2019.5.9 川崎市多摩区

ミヤマシラスゲの葉
葉の裏面は粉白を帯びる。 2022.6.7 川崎市多摩区

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