ミツガシワ

ミツガシワ(ミツガシワ科)[三柏・三槲]

名は、3個の小葉を持ち、その小葉がカシワの葉に似ているからというのが通説だが、カシワの葉には似ていない。三柏の紋所に似ていることからという説が当を得ているように思う。
1科1属1種。かつてリンドウ科に近縁な植物と考えられ、リンドウ科に含められていた時代もあったが、遺伝子解析によるとむしろキク科に近いのだという。
山地帯~亜高山帯の沼沢地に生える水生の多年草で、太く長い円柱状の根茎を水底を横に走らせて細い根を多数出して殖えるので、池や池塘を埋めるように群生する。平地の池でもよく生えていて、氷河期の遺存種であることが伺われる。
葉は根茎から根生して水中から突き出て、質が厚く3出複葉で2-3個ずつくっついて互生し、7-12cmの長い柄がある。葉柄の基部は鞘になる。小葉は長さ4-8cm、幅2-5cmの卵状楕円形で、先は円形または三角状で微突端、基部は円形~広いくさび形で縁に波状の鋸歯があるかまたはやや全縁。
根生葉の間から高さ15-40cmの花茎を出し、先端に10-20個の白色~淡紫色の漏斗形の花を総状につける。蕾の先は紅色に染まる。花柄は長さ0.5-1.5cm。苞は広卵形。花冠は直径1-1.5cmで先は5中裂し、裂片の内側に長くて縮れた白い毛がある。萼は長さ3-4mmの楕円形で5深裂し、裂片は3角状披針形。雄しべは5個で雌しべは1個で花柱は2裂する。
雌しべが雄しべより長い長花柱の株と、逆に雌しべが雄しべより短い短花柱の株の2つのタイプがあり(これを異形花柱性:ヘテロスタイリーという)、長花柱のタイプのみが結実するといわれている。ただ、ソバなどでは短花柱花は長花柱花の花粉で受精する(逆に長花柱花は短花柱花の花粉で受精する)ので、ミツガシワの場合もソバと同じことが当てはまるかもしれない。短花柱花が受精しにくいということはあるにしても。
果実は直径5-7mmの球形の蒴果で、熟すと2裂する。種子は直径2-3mmの扁球形で光沢がある黄赤色。
花期:4-8月
分布:北・本・九
撮影:2006.6.24 秋田県由利本荘市
ミツガシワの長花柱花
雌しべのほうが長い長花柱花。結実する。 2005.7.9 秋田県鹿角市

ミツガシワの短花柱花
雄しべのほうが長い短花柱花。 2006.6.24 秋田県鹿角市

池塘から葉を出すミツガシワ
池塘に生えるミツガシワ。 2005.9.11 秋田県八幡平市


検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。