ミチノクネコノメソウ

ミチノクネコノメソウ(ユキノシタ科)[陸奥猫の目草]

北日本に多いのでこの名がある。ミチノクネコノメともいう。チシマネコノメソウの変種とされるが、区別しない見解もある。

山地の谷沿いの林下に生え、高さ5-20cmになる無毛の多年草。花茎は暗紅色を帯びる。
ロゼット状の根生葉があり、花時まで残る。茎葉は0-1対あり、狭い扇形で小さい。
苞は茎葉より大きく、上半部に不規則な鋸歯が目立つが、変化があり低く鈍いものも多い。
苞に囲まれて花がつき、花は直径3-4mmでごく短い柄がある。花弁はなく、萼片は黄緑色で4個あり平開する。花盤は淡黄緑色。雄しべは8個で直立し、裂開直前の葯は橙赤色~淡橙黄色。花柱は2個。花後に根生葉の腋から細長い匐枝を出し、途中に1対の葉をつけて出根し先端にロゼットをつくり越冬する。
果実は蒴果で、2個の心皮が斜開し大きさが異なる。種子は卵円形で十数個の稜がある。

関東地方以西に生えるイワネコノメソウも裂開直前の葯の色が橙赤色~淡橙黄色となるが、ミチノクネコノメソウとは花期における根生葉の有無が異なり、イワネコノメソウはないが、ミチノクネコノメソウは花期に根生葉が残る。
母種のチシマネコノメソウは、匐枝に1対の葉はなく先端のロゼットのみ。裂開直前の葯は鮮黄色または汚紅色。苞葉の鋸歯はごく低く鈍い。
花期:4-6月
分布:本(近畿地方北部以東)
撮影:2003.4.12 青森市
ミチノクネコノメソウ-2
茎葉と苞葉が細いタイプ。鋸歯も明瞭。 2003.4.12 青森市


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