マネキグサ

マネキグサ(シソ科)[招草]

名は、花が手招きしているように見えることからついたもの。招き猫の手に似ているからとも。キセワタに似ていて、より山地に生えるので別名ヤマキセワタという。
環境省レッドリストでは準絶滅危惧(NT)であるが、神奈川県では絶滅危惧ⅠB類にランクされ、産地が極限されており個体数も少ない。関東地方北部では群馬県には希産するが、栃木県では昭和43年(1968年)以降現在まで観察記録がない。

山地の林内や林縁にまれに生える多年草で、茎は直立し、中部で分枝して高さ0.4-1mになる。茎に4稜があり、稜上に下向きの白毛がある。根茎は木質で細い。
葉は長さ0.5-5cmの柄があってまばらに対生し、長さ3-7cm、幅2-6.5cmの卵円形。下部のものは基部が浅い心形となり、上部のものは基部が広いくさび形~切形。粗く大きな鋸歯があり、先は鈍く、表面や縁に白毛があり、少ししわがある。
花は上部の葉腋に1-3個ずつつき、長さ1.5-2cmで暗紅紫色に白色の縁取りがある。萼は5脈があり、上側で長さ8mm、やや斜めになって短く先が鋭い5歯があり、下側の2個は少し長く、中部以上まで合着している。花冠は唇形で土部は斜上する。上唇はかぶと状で下唇は3裂して開出し、長さ7-8mm。中央裂片は大きい。雄しべは4個で花冠上唇に沿って斜上する。葯は無毛。
果実は4分果からなり、分果は長さ2.5-3mmの倒卵状くさび形で3稜形、先に腺点がある。
花期:8-9月
分布:本(群馬・埼玉・神奈川県以西)・四・九
撮影:2017.9.8 神奈川県逗子市
マネキグサ-2
花は葉腋につく。花弁が白く縁取りされ、独特の趣がある。 2017.9.8 神奈川県逗子市

マネキグサの花
4個の雄しべは花冠上唇に沿って斜上する。花糸は暗紅紫色、葯は無毛。 2017.9.8 神奈川県逗子市

マネキグサの萼
萼は2唇形で下唇は上唇より少し長く、萼歯は針状にとがる。 2017.9.8 神奈川県逗子市

マネキグサの葉
上部の葉は卵状披針形。下部の葉は円形になる。粗く大きな鋸歯があり、表面や縁に白毛がある。 2017.9.8 神奈川県逗子市


検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。